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NVIDIA ジェンスン・ファン氏、次の驚くべき革命は生物学とテクノロジーの交差点で起こる

Nvidia ジェンスン・ファン氏、次の驚くべき革命はデジタル・バイオロジー

2023年12月5日、日本に訪れた NVIDIAのCEOジェンスン・ファン氏は、西村康稔経済産業相と経産省で会談し、日本に AI (人工知能) 関連の研究開発拠点を設ける考えを明らかにし、国内でも大きなニュースとなりました。

同日、X (旧 Twitter) で個人投資家の間で話題になったのが、ジェンスン・ファン氏による “デジタル・バイオロジー” についての言及です。

次に過去最大級の革命が起こる分野は間違いなくデジタル生物学。学は人類史上初めて”エンジニアリング”が可能になった。物事がエンジニアリング可能になると、その後は指数関数的に発展する。人類の歴史上初めて、生物学は科学ではなく工学となる機会を得た。

過去の知見が全て分野の進歩に直結し、複利で進歩していく。これは生物学で過去に起こらなかった。幸運なことに、NVIDIA はこの生物学革命の中心にいる。

既に NVIDIA は生物学分野にいくつかの革命を起こした。そして今後もさらに生物学分野に新たなツールを届ける。生物現象は混沌としていて、常に変化し続けており複雑だが、NVIDIA の新ツールが、そんな生物学をコンピュータサイエンスの世界に引き入れる。

この生物学CS境界分野は今後多くのチャンスが生まれ、巨大産業に発展すると思う。

NVIDIA のジェンスン・ファンCEOは、次の大きな革命が生物学とコンピューターサイエンスの交差点で起こることについて話しています。NVIDIA も既にAIを使用した創薬分野に進出しており、NVIDIA が Amazon Web Services (AWS) 上で提供する創薬のための生成AIプラットフォーム NVIDIA BioNeMo を提供しています。

また、2023年11月にバイオテクノロジーのリーディングカンパニーである Genentech と NVIDIA は創薬・医薬品開発を加速する戦略的AI研究提携を締結している。この発表の際にジェンスン・ファン氏は次のように述べています。

ジェネレーティブAIの最大のインパクトは、ライフサイエンスとヘルスケア業界に革命をもたらすことです。Genentech の次世代AIプラットフォームを構築するための我々の協力は、創薬と開発のペースを劇的に加速するでしょう。

ムスタファ・スレイマン、AIと合成生物学の波がいかに世界を変貌させるか?

【選書】『The Coming Wave』ムスタファ・スレイマンがAIの発展について警鐘を鳴らす話題の書

Google の DeepMind の共同創業者である Mustafa Suleyman (ムスタファ・スレイマン) が2023年9月に出版した話題の著書『The Coming Wave: the ground-breaking book from the ultimate AI insider (来るべき波 : 究極のAIインサイダーによる画期的な本)』でも、AIと合成生物学の波がいかに世界を変貌させ、新たなリスクをもたらし、国家を脅かし、人類を破局やディストピアへと導くかについての緊急警告しています。

AIと合成生物学の波がいかに世界を変貌させ、新たなリスクをもたらすのか?

つまり、Nvidia のCEOジェンスン・ファン氏、Google の DeepMind の共同創業者ムスタファ・スレイマン氏という名だたる人物が非常に注目している分野であるということです。

更に、Apple (アップル) の先見の明を持つ創業者、故スティーブ・ジョブズはかつて、「21世紀最大のイノベーションは、生物学とテクノロジーの交差点で起こるだろう」と語っており、他にも Google の元CEO Eric Schmidt (エリック・シュミット) やプログラマーの Paul Graham (ポール・グレアム) 氏も次のように述べています。

生物学は次の大きな課題だ。もし私が今の若い頃だったら、生物学をやっていただろう – エリック・シュミット

生物学はAIや核融合エネルギーの次に大きなものになる – ポール・グレアム

【関連記事】バイオテクノロジー、ナノ医療、AIが融合し、アップルの天才スティーブ・ジョブズが予言した健康へのブレークスルーがもたらされる

イスラエルのヘブライ大学グラス・バイオエンジニアリング・センター所長、ヤーコフ・ナミアス教授も現在の状況を次のように語る。

コンピューター科学者にとっては、1990年代のような感じです。今は生物学が最前線です。新たな革命であり、これまでとは異なるスキルが必要とされるでしょう。

ハイテク企業、AI分野に精通した I/0ファンドの Beth Kindig (ベス・キンディグ) 氏も、AIの注目すべき分野として、遺伝子科学とAIの交差点について次のように述べています。

もうひとつの新たな分野は、遺伝子科学とAIの交差点である。そこではAIの能力が科学的手法を変革する可能性がある。従来の仮説検証や論文作成の代わりにAIが研究を加速させ、ヒトゲノムのような膨大なプロジェクトをより管理しやすくすることができる。 – ベス・キンディグ

医薬品業界において、存在感を増す NVIDIA

急速に進化する医薬品業界において、NVIDIA と AI は、創薬、手術、医療画像、ウェアラブルデバイスの変革において極めて重要な役割を果たしています。

NVIDIA の BioNeMo プラットフォーム

NVIDIA の創薬におけるジェネレーティブAI BioNeMo プラットフォームは、コンピュータ支援による創薬エコシステムに拍車をかけている。十数種類のジェネレーティブAIモデルとクラウドサービスが特徴です。

研究者は現在、分子配列、構造、機能を観察しながら、コンピュータ内で医薬品を表現することができます。ジェネレーティブAIを活用することで、創薬チームは所望の特性を持つ可能性の高い新規分子を設計し、高価な物理実験の必要性を減らすことができる。

BioNeMo は、タンパク質構造予測、分子最適化、ドッキング予測などのために、事前に訓練された生体分子AIモデルを提供しています。更に NVIDIA は、Recursion や Terray Therapeutics のようなテックバイオ企業にも投資しており、創薬エコシステムを強化しています。

日本初の製薬向けジェネレーティブAIスーパーコンピュータ Tokyo-1

NVIDIA DGX AIスーパーコンピュータを搭載したTokyo-1プロジェクトは、日本の1000億ドル規模の製薬産業を加速させることを目的としています。
日本の製薬会社や新興企業が利用できるこの取り組みでは、AIを活用して創薬と医薬品開発を推進します。

医療画像と手術におけるAI

ジョンソン・エンド・ジョンソンは外科手術のアプリケーションで NVIDIA と提携しました。GEヘルスケア (GEHC) は医療用画像処理にAIを活用しています。これらの提携により、医療における精度、効率、患者の転帰が向上する可能性があります。

NVIDIA による Recursion への投資

NVIDIA の Recursion への投資は、創薬のためのジェネレーティブAIモデルの進歩に貢献するものです。このように、NVIDIA は次の舞台となるAIとヘルスケア/バイオテクノロジーの融合/変革に取り組んでおり、最前線にいます。

合成生物学を扱うバイオ企業

海外の個人投資家の間では、NVIDIAのジェンスン・ファン氏のこの発言を受けて、2020年以降のSPACブームで上場した合成生物学を扱う2つのバイオ企業「Ginkgo Bioworks (ギンコ・バイオワークス / DND)」と「Recursion Pharmaceuticals (リカーシオン・ファーマシューティカルズ / RXRX)」が取り上げられています。

Ginkgo Bioworks (ギンコ・バイオワークス / DNA)」

【DNA】注目のバイオ企業 Ginkgo Bioworks とは?

ボストンに本社を置く Ginkgo Bioworks (ギンコ・バイオワークス / DNA) は、合成生物学と密接に関連する細胞プログラミング分野のパイオニアである。同社は、コンピュータをプログラミングするのと同じくらい簡単な細胞のプログラミングを可能にする技術の開発に主眼を置いている。

この汎用性の高いプラットフォームは、食品、農業、医薬品、工業薬品、特殊化学品など、さまざまな市場に応用されている。また、COVID-19に関連するコミュニティ・テスト、疫学的トレース、ワクチン開発、治療薬発見などの取り組みを含め、バイオセキュリティや公衆衛生にもその業務は及んでいる。

財務面では、2023年後半の時点で、イチョウ・バイオワークスの時価総額は約33億ドル、2022年度の売上高は4億7,770万ドルと報告されている。同社はDNAコードから生物を設計、エンジニアリング、開発し、酵素発見、タンパク質生産、代謝工学、菌株最適化などのサービスを提供している。農業、バイオ医薬品、政府、産業、栄養など、多様な分野に対応している。

Ginkgo Bioworks は国際的なパートナーシップの構築にも積極的である。例えば、合成生物学の新興企業であるSynplogen社と、日本市場におけるグローバルなDNA製造と遺伝子治療プラットフォームサービスを推進するための拘束力のない覚書を締結した。この提携は、日本におけるイチョウの遺伝子治療サービスを拡大することを目的としており、シンプロジェン社のビジネス開発およびマーケティング支援を活用して、日本のバイオテクノロジー企業や製薬企業との連携を図る。

Recursion Pharmaceuticals (リカーシオン・ファーマシューティカルズ / RXRX)

【RXRX】生物学を解読して創薬の産業化を目指すテックバイオ企業 Recursion Pharmaceuticals

Recursion Pharmaceuticals (リカーシオン・ファーマシューティカルズ / RXRX) は、生物学、化学、オートメーション、コンピューターサイエンスの先端技術を創薬に活用する臨床段階のバイオテクノロジー企業である。同社のプラットフォームであるRecursion Operating System (OS)は、データ世界における何兆もの生物学的・化学的関係のマッピングとナビゲーションを支援する多様な技術の複雑な統合である。

このアプローチにより、同社は創薬プロセスを産業化し、機械学習アルゴリズムを活用して膨大なデータセットを分析し、潜在的な新薬候補を見つけることができる。同社は、脳海綿状奇形(CCM)や神経線維腫症2型など、さまざまな疾患をターゲットとした臨床プログラムを持っている。

腫瘍学に関しては、Recursion社は大腸癌の前駆症状である家族性腺腫症ポリポーシスを対象としたフェーズ2試験を実施している。また、PD-1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤と併用するために開発された新規化合物を含む、肝臓がんおよび卵巣がんをターゲットとする広範なプログラムにも取り組んでいる。

さらに、非小細胞肺がんやその他の固形がんに関連する遺伝子/タンパク質であるKRASにも焦点をあてている。また、クロストリジウム・ディフィシル性大腸炎を対象とした希少疾患のプログラムもあり、現在、健康なボランティアを対象とした安全性評価のためのフェーズ1が進行中である。

合成生物学の分野で注目の Ginkgo Bioworks への成長投資

バイオテクノロジー企業への投資に精通した、Biotech2k のアカウントは、Ginkgo Bioworks への投資を次のように述べている。Ginkgo Bioworks (ギンコ・バイオワークス / DNA) を使った成長投資の例を見てみよう。現在の年商は約2億5000万ドルである。同社は、いつか1兆ドル規模になるかもしれない合成生物学分野で巨大なTAMを持っている。現金は11億ドルある。

売上高2億5,000万ドルの現在の評価を売上高の10倍で見ると、25億ドルの価値がある。そこに現金を入れると、36億ドルの価値になる。現在の収益に基づくと、会社全体のバリュエーションは28億5000万ドルになる。これでは、将来的に同社がどのような企業になる可能性があろうとも、その評価額はゼロに等しい。

合成生物学のTAMは1兆ドルを超える可能性がある。地球温暖化のような現代最大の課題に対処できるからだ。これまでのところ、バイオテクノロジー業界においてこの弱気相場を生き抜いた競合企業はひとつもない。同社は、テクノロジー、AI、MLの巨大なプラットフォームを構築し、競争力のある堀でさらに優位に立ち続けている唯一の競合企業である。

同社は文字通り、合成生物学のテスラであり、競争相手のいない業界をリードしている。もし彼らが1兆ドルの合成生物学市場の10%を獲得すれば、顧客にとっては1000億ドルの収益となる。そうなれば、マイルストーンとロイヤルティが手に入る。

標準的な一桁台半ばのロイヤリティを5%とすれば、Ginkgo Bioworks のロイヤリティは50億ドルになる。この数字に10倍の売上を乗せると、いつの日か500億ドル企業が誕生することになる。これは1,600%のリターンとなる。成長投資とはこういうものだ。

市場規模が大きく、競争優位性を持ち、割安な優良企業を見つけ、それに長期的に賭ける。市場シェアが20%になれば、この小さな会社の中に次のテスラがあることになる。

私のポートフォリオのわずかな割合でこの会社を買った私をクレイジーと呼ぶことはできるが、10年後、20年後に500億ドル、あるいは1,000億ドルに成長する可能性のある、今は割安な会社を買うというリスク調整済みの賭けに乗らないのは、クレイジーと言わざるを得ないだろう。

これが成長投資の核心である。テックバイオ、合成生物学、細胞治療、CRISPR などのバイオテクノロジーには、この説明に当てはまるアイデアや企業が数多くある。また、フィンテック、サイバーセキュリティ、AIといったハイテク・テーマもこの説明に当てはまる。

これらのテーマで重要なのは価値だ。今、極端に落ち込んでいるテーマもあれば、超バブリーなテーマもある。バイヤー・ビー用心ということだ。賢明な投資家は、現在の企業価値のリスクとリターンに基づいて、狙うべきテーマを選ぶことができる。

ジェネシス・マシン: 合成生物学の時代における生命を書き換える探求

合成生物学を学ぶ『ジェネシス・マシン : 合成生物学が開く人類第2の創世記』

合成生物学の著書『ジェネシス・マシン : 合成生物学が開く人類第2の創世記』の著者で未来学者の Amy Webb (エイミー・ウェブ) 氏は、AIと生物学の有望な接点として合成生物学を挙げ、そこではコンピューティングの原理(1と0)が生命体の遺伝暗号 (ATCG) に類似していると指摘する。

ウェッブ氏は、合成生物学における革新的なソリューションとして、培養肉や培養魚の例を挙げる。伝統的な養殖や漁業からではなく、研究室で細胞から開発された培養製品は、環境への影響を軽減できる持続可能な代替案を提供する。このアプローチは、廃棄物を最小限に抑え、資源利用を最適化することで、循環型経済のコンセプトに合致する。

海洋における乱獲の問題について論じ、持続可能な代替案として養殖肉を紹介する。彼女は、海から魚を獲る代わりに、マグロから2グラムのような小さな組織サンプルを使って、バイオリアクターでマグロ肉を育てる方法を説明する。

この方法は、伝統的な農業のためのスペースが限られているシンガポールでは、すでに鶏肉に利用されている。シンガポールでは、倉庫やオフィスビルを再利用して、鶏肉を培養するバイオリアクターが設置されている。

ウェッブ氏は、この培養肉は分子的には従来の食肉と同じだが、よりクリーンで管理された環境で生産されると強調する。抗生物質もホルモン剤も必要ないので、よりクリーンで健康的な選択肢となりうる。この技術革新は遺伝子組み換え作物 (GMO) ではなく、より持続可能で倫理的な新しい食肉生産方法である。

養殖肉技術は、乱獲や食肉生産のエコロジカル・フットプリントといった環境問題に対処する機会を提供する。培養肉の環境的、倫理的な利点を強調し、議論を締めくくった。

食肉生産へのこの革新的なアプローチは、食用に動物を殺す必要性を減らすため、環境と動物福祉にとってより良いものである。彼女は、シンガポールの経済が農業の中心地へと変貌し、培養肉を東南アジアの他の国々に輸出できる可能性を指摘する。

DNA解析のブレイクスルー

・合成生物学のバイオテクノロジー企業モデルナ

合成生物学と聞いても、ピンとこない方もいるかもしれませんが、私たちが新型コロナワクチンとして接種した方もいるかもしれない、バイオ企業のモデルナは、合成生物学の企業として知られています。

Moderna (モデルナ) という社名は Modified と RNA を組み合わせた造語であり、合成生物学技術を用いて、メッセンジャーRNAを操作し、患者一人ひとりに合ったがん治療薬を開発すると言うアイディアを意味しています。

当時、この技術は研究室でうまくいったが、販売できるような製品が完成する段階までは至っていなかった。そこでRNAを操作して薬を作る方向にシフトしていったのがモデルナというバイオ企業です。

モデルナは現在、メルクと提携したがんワクチンにより、メラノーマ手術後の患者における再発や死亡のリスクを49%削減したことが報告されており、どこかの調査会社が出した2024年の買いリストにも名を連ねるくらい注目されています。

これもモデルナの合成生物学というアプローチが、新型コロナワクチンの開発以降加速度的に技術革新が起きていることの現れではないでしょうか。

・最先端のDNA解析で、日本人の祖先を辿る

また、NHKの新しいドキュメンタリー『フロンティア』の記念すべく第一回「日本人とは何者なのか?」で取り上げられたのは、ここ数年のDNA解析のブレイクスルーから分かった新事実が次々に報告されている。これまでDNA解析は試験管を通した従来のものであったが、セーケンサーを使えるようになり、技術革新が起きている。

今、日本人のルーツに関する常識が覆ろうとしている。カギを握るのは、最先端の「古代DNA解析」。数万年前の骨から大量の情報を読み出す驚きの技術だ。浮かび上がってきたのは“最初の日本人”の意外な姿。アフリカから最初に東アジアにやってきた人類との密接なつながり。世界にも類を見ないユニークな文化誕生のヒミツ。そして、今の日本人のDNAを決定づける “謎の集団”との混血の証拠。従来の常識を超えて、私たち日本人の”祖先観”が覆る。

バイオ・イノベーションの4つの分野

こちらの資料は、2020年にマッキンゼーがまとめた、『バイオ革命: 経済、社会、そして私たちの生活を変革するイノベーション』についてまとめられたものです。その後のバイオテクノロジー企業による短期間でのワクチン開発、生成AIブームと加速度的に技術革新が起こっていますので、バイオ革命も既に始まっているものだと思います。

・生体分子
この分野は、細胞内分子のマッピングとエンジニアリングに焦点を当てている。細胞内の分子を研究・操作することで、その機能を理解し、新たな機能を生み出す。

・バイオシステム
細胞、組織、臓器のマッピングとエンジニアリングを行う。より広範な生物工学を指し、人工臓器や人工組織の開発も含まれる。

・バイオマシンインターフェイス
この分野は、生体の神経系を機械に接続するものである。義肢装具を心でコントロールしたり、コンピュータを脳機能に直接統合したりするブレイン・マシン・インターフェイスなど、神経系と直接インターフェイスする技術に関連する。

・バイオコンピューティング
細胞や細胞の構成要素を計算に利用すること。シリコンベースのチップの代わりに、生物学的プロセスを使用してデータを保存し、計算を実行し、複雑な問題を解決する。

このようなバイオ・イノベーションは、経済や社会に与える潜在的な影響の範囲と規模は、相当なものと思われる。世界の物理的インプットの60%は、生物学的手段を使って作られる可能性がある。

このことは、製造・生産プロセスの大きな転換を示唆し、生物工学への依存度が高まり、従来の物理的・化学的プロセスへの依存度が低下することを意味する。世界の疾病負担の45%に対処できる。

このことは、個別化医療、先進治療、新薬などを通じて、世界的な健康課題に取り組むバイオ・イノベーションの大きな可能性を示している。民間の研究開発費の30%がバイオ関連産業に費やされている。

これは、民間企業における生物学的研究開発への投資と重点化を浮き彫りにしており、この分野への潜在的な投資収益に対する強い信念を示している。全体として生物科学の進歩が技術的に重要であるだけでなく、世界規模で産業、医療、経済を大きく変える可能性を秘めていることを示唆している。

投資家の取れるアプローチ

ある情報通のインフルエンサーが、冒頭で述べた NVIDIA CEO の発言を日本のフォロワーに向けていち早く紹介していたようですが、この人のアプローチは AI 界隈で増えている海外で話題となったポスト等を日本語に翻訳して横流しすような反復作業だと思います。

個人投資家が取れるアプローチとしては、「合成生物学」と言えば、あのバイオ企業だよな、とか、合成生物学の分野で革命が起きるなら、あの企業やあの分野にも恩恵があるだろうな … というように、すぐさまに思考できることにあると思います。

大事なのは、未来を予想できない以上、未来に備え、情報に基づいた決断を下すことです。つまり、将来起こりうるシナリオに備えることだと思います。

Ginkgo の最大の可能性のひとつは、ジェネレーティブAIの分野

個人的には既に Ginkgo Bioworks (ギンコ・バイオワークス / DNA) は注目しており、SPAC上場すると聞いてどこかのタイミングで投資したいと思い、3ドル前後になったタイミングでロングし、それ以降も下がったら少しづつ買っていました。

残念ながら株価は半分くらいになっていますので、現時点でこの投資は失敗に終わっていますが、この分野の未来に備えて早過ぎるロングをしてしまったのかもしれません。