Rocket Lab (ロケットラボ)、極超音速試験飛行に採用されたサブオービタル・テストベッド・ロケットを発表。Rocket Lab の新しい HASTE ロケットは、Electron ロケットから派生したもので、極超音速システム技術開発を進めるために、高い確率でサブオービタル飛行テストの機会を提供します。
Introducing HASTE: Hypersonic Accelerator Suborbital Test Electron
A suborbital testbed rocket derived from Electron.
Reliable, high-cadence suborbital flight test opportunities to advance hypersonic tech development. Ready for launch from Virginia now. https://t.co/591S2RnwTX pic.twitter.com/LAhzDPh2wF— Rocket Lab (@RocketLab) April 17, 2023
Rocket Lab のサブオービタルミッション用 HASTE ロケットは、2023年3月にバージニア州の NASA Wallops Flight Facility から打ち上げられる Electron ロケットに由来しています。
Rocket Lab (ロケットラボ / Nasdaq:RKLB) は2023年4月17日、Rocket Lab の遺産であるエレクトロンロケットから生まれたサブ軌道テストベッドロケット、HASTE ロケット (Hyponic Accelerator Suborbital Test Electron) を正式に発表しました。
HASTE は、極超音速システムの技術開発を進めるために必要な、信頼性が高く、高い確率の飛行試験機会を提供するもので、初号機は2023年前半に極秘顧客のために打ち上げられる予定です。
グローバル打ち上げサービス担当シニアディレクターの Brian Rogers は、次のように述べています。
Rocket Lab は、打ち上げや宇宙システムにおいて、民間宇宙や国家安全保障のコミュニティに合わせた信頼性の高い宇宙機能を提供してきた実績があり、HASTE はその延長線上にあるものです。
極超音速とサブオービタルの試験能力は、国家にとって重要な優先事項ですが、国防総省がこれらのシステムを試験する能力は限られています。
HASTE では、エレクトロンという実績のあるロケットを、バージニア州にある既存の発射場から、高い能力、頻度、費用対効果の高い極超音速およびサブオービタル試験の機会を提供するために特別にカスタマイズしています。
重要なのは、HASTE は将来の能力を約束するものではなく、今すぐにでも飛行可能な完成したロケットであり、現在、バージニア州ワロップスの統合制御施設において、数ヶ月後の打ち上げに向けて最初の1機が準備中であるということです。
HASTE は、2018年から軌道への確実なアクセスを提供し、NASA(アメリカ航空宇宙局)、NRO(国家偵察局)、DARPA(国防高等研究計画局)、米宇宙軍への衛星配備に成功した Rocket Lab の旗艦ロケット Electron から進化しています。
HASTE uses the same innovative carbon composite structure & 3D printed Rutherford engines as Electron but has a modified Kick Stage for hypersonic payload deployment, a larger payload capacity of up to 700 kg / 1,540 lbs + options to tailor fairings to accommodate larger payloads pic.twitter.com/ckj3VpBx9a
— Rocket Lab (@RocketLab) April 17, 2023
HASTE は、Electron と同じ革新的なカーボンコンポジット構造と3Dプリントのラザフォードエンジンを採用していますが、極超音速でのペイロード展開のためにキックステージを改良し、最大700kgのペイロード容量と、大型ペイロードに対応したフェアリングのオプションを持っています。
Rocket Lab は、米国国防総省の委託を受け、海軍水上戦センター(NSWC)クレーン部門が受注したマルチサービス先進能力テストベッド(MACH-TB)プロジェクトにおいて、ダイネティクス社の極超音速試験打ち上げ能力の提供に選ばれています。
これとは別に、Rocket Lab は、米国防総省の極超音速・高ケイデンス試験能力(HyCAT)プログラムにおいて、HASTE での極超音速発射能力のプロトタイプを作成するために、防衛革新ユニット(DIU)に選ばれています(これは、従来の飛行試験よりコストを削減しながら極超音速試験のケイデンスを高めることを目的としています)。
このプログラムでは、Rocket Lab は、オーストラリアの Hypersoni x Launch Systems が開発した DART AE (Additive Engineering) 車両を含むスクラムジェット駆動のペイロードの統合を検討する予定です。これは、2018年に Space Systems Command Rapid Agile Launch Initiative (SSC-RALI) の取り組みで始まった DIU と Rocket Lab のパートナーシップを継続し、DoD に迅速かつ俊敏な打ち上げ能力を提供します。
プロトタイプの成功により、どのDoD 組織も DIU のソリューションカタログを利用して、Rocket Lab から打ち上げサービスを調達することができます。また、Rocket Lab は、ミサイル防衛局標的・対策部(MDA/TC)から、HASTE に搭載する様々なペイロードを評価する研究の実施に選ばれ、将来の試験飛行の機会を設定するために、現在終了している研究を行っています。
これらのプログラム賞は、オーダーメイドの軌道と空力試験体制を提供する HASTE の多用途性を強調しています。
HASTE は、米国の防衛・情報機関およびその同盟国のユニークなニーズに応えるために設立された当社の完全子会社であるRocket Lab National Security (RLNS) の下で主に運用される予定です。バージニア州の NASA Wallops Flight Facility にある Mid-Atlantic Regional Spaceport 内の Rocket Lab Launch Complex 2 が HASTE の発射場となります。