Zoomy

地球を救うEO企業として評価される Planet (プラネット) の魅力

EO企業、地球を救う企業として評価される Planet (プラネット) の魅力

2023年5月25日、アフターマーケットで Nvidia (エヌビディア) の好決算が発表され、時価総額2,200億ドル上昇するという、単日上昇幅として米歴史上最大となり、AI バブルを決定的なものとしました。

“黄昏の時”、AI (人工知能) バブルに想いを馳せる

一時期この銘柄で言われていた「一生一緒にエヌビディア …」が世界を席巻しました。同日、ある名も無い個人投資家が以下のツイートを投稿しました。

Nvidia の可能性を最も感じる所有銘柄は Planet Lab です。Nvidia はかつて単なるゲーム会社で、それが今ではデータ、AI、自律/ロボットで支配的になっている。Planet Lab は、2023年のEO (衛星) 企業に過ぎない…。

Nvidia は、当初の市場(ゲーム)を超えて、データサイエンス、AI、自律走行車などの新分野に成長することができました。同様の軌道を描くには、Planet も同様のイノベーション能力を持つ必要があります。そもそもこのような推測は机上の空論であり、意味を持ちませんが、今回はもしドラならぬ、もし Planet が Nvidia みたいになれるなら … という無理くりな設定で、Planet の近況も合わせて記事にしてみたいと思います。

Planet (プラネット / $PL) は、世界中のオンラインプラットフォームを通じて顧客に配信される高ケイデンス地理空間データを提供することを目的として、衛星のコンステレーションを設計、建設、および打ち上げを行います。農業、民政、エネルギー・インフラ、金融・保険、林業・土地、地図、海事など、さまざまな市場にサービスを提供しています。

現在は赤字経営

2022年、Planet は力強い成長を見せました。同社は2023年度に前年比46%増の1億9,130万ドルの記録的な収益を上げ、2022年度の37%から49%という高い売上総利益率を報告しました。しかし、2024年度の予想収益は、IPO 前に予想されていた51%ではなく、35%程度の成長になると予想され、以前の予想よりも低くなります。 (これはどの宇宙SPAC企業も本来予想していた成長率には及んでいない問題としてあるあるです)

財務面では、Planet は2023年に前年比45.76%増収となり、成長を示しています。しかし、現在は赤字経営となっています。2023年5月24日現在、同社の時価総額は1.20B、売上高(tm)は191.26M、純利益(tm)は-161.97Mです。

まだまだ設備投資、新たな商業領域を模索している

このような課題にもかかわらず、Planet は利益率の改善を進めています。来年度の非GAAPベースの売上総利益率は57%から61%になると予想され、長期目標である74%に近づいています。しかし、同社は設備投資の増加を計画しており、過去3年間の設備投資の合計を上回る可能性があることに留意する必要があります。その結果、同社は今年も来年もフリーキャッシュフローが大幅にマイナスになると予想されています。

しかし、Planet の最近の活動は、成長と拡大の可能性を示唆しています。同社は、新たなAIパートナーシップの発表、AXA Climateなどの戦略的パートナーシップの延長、The Nature Conservancy との協業、Ursa Space の Virtual Constellation and Partner Network への参加などを行っています。

Planet、GEOINT 2023 でAIパートナーシップを発表

また、過去最高の四半期収益を報告し、通年の収益予想の上限に近づいている。また、データ分析プラットフォームを拡張するためにSinergise Business を買収し、National Recon Office からの新規契約を獲得しています。

まら将来に向けて、Planet は、SES Government Solutions と Telesat Government Solutions から、NASAの通信サービスプロジェクトで運用される低軌道(LEO)衛星から他の宇宙通信衛星へのリアルタイム宇宙間接続ソリューションの実証実験を行うよう選定されています。

Planet が SES と Telesat の下請け会社に選定され、リアルタイム接続ソリューションの構築を支援

これにより、地球近傍の宇宙通信能力を向上させ、NASAとの関係をより強固なものにする可能性があります。また、この技術のさまざまな側面を実証するために、2023年からペリカン衛星を打ち上げる計画もあります。以上のようなことから、Planet はまだまだ道半ばであり、こうなると決めつけたり、予想しても何にもなりません。

しかし、この名も無き個人投資家が大局観で Nvidia と Planet を比較して予想したように、Planet の事業は世界的な長期トレンドである “地球温暖化”、”環境破壊” に必要な不可欠な企業であるという期待値が高いように感じています。

ChatGPT の世界的な大流行で、OpenAI のCEOサム・アルトマン氏は一瞬で時の人となりました。そのアルトマン氏の最大の投資先と言われているのが核融合の Helion Energy (ヘリオン・エナジー) です。

核融合研究企業 Helion Energy (ヘリオン・エナジー) とは?

かつて Helion Energy という企業はある企業と共に、地球を救う企業として2021年にニューヨーク・タイムズのオピニオン記事「Want to Save the Earth? We Need a Lot More Elon Musks.」で紹介されました。それが、Planet という地球観測企業なのです。

この記事を書いたのは、著書『フラット化する世界』などで知られるジャーナリストのトーマス・フリードマン氏です。フリードマン氏は既に、2021年というタイミングで OpenAi についても言及しており、Planet や Helion Energy の事業に先見性を感じ、イノベーションのエコシステムを再度活性化する必要があることを、この2社を通して語っています。

ただの連想ゲームに過ぎないのですが、Planet に期待する多くの投資家は、このような Planet のポテンシャルに魅了されている可能性があります。

【PL】地球観測衛星データの Planet(プラネット・ラボ)について

もう一つ、Planet の知られるざる企業の側面について、著書『Elon Musk』、『When the Heavens Went on Sale』で知られるアシュリー・バンス氏が、次のように Planet について、同社のCEOであるウィル・マーシャルについて評価しています。

アシュリー・バンス氏、私たちは宇宙の新しい時代にいる

Planet は、靴箱サイズの小さな衛星を作り、地球を取り囲んでいます。毎日、地球上のあらゆる場所を撮影し、何枚もの写真を撮っています。アメリカ政府、中国、ロシアでさえ、このような能力はありません。

Planet は、レーダーの目をかいくぐってきたような会社です。彼らは信じられないことをやってのけた。この画像衛星は、スパイ衛星と思われがちですが、そうではありません。この衛星は、私たちの眼下で行われている人間活動の総和を撮影するものです。

例えば、地球上のすべての樹木を数え、そのバイオマス量や二酸化炭素の吸収量をカウントするようなものです。これは、気候変動を解決するために、炭素やクレジットといった実際の指標を設定するために使用できるものです。

まあ、これ以上ないほど違う人たちですね。ウィル・マーシャルは、プラネットのCEOであり、共同設立者です。彼は理想主義者で、正真正銘の宇宙ヒッピーです。彼は若い頃、宇宙の非武装化について論文を書いていました。

宇宙分野での現金争奪戦

こちらのツイートが述べているように、Planet は宇宙SPAC企業の中でもキャッシュを確保しており、上手くコントロールできれば、宇宙SPACの中では安心して見ていられる企業です。

Planet は4億ドルを持っており、もし成長を遅らせたり加速させたりすることができれば、ここでの唯一の真の勝者です。宇宙は、低資本、厳しい資本制約、達成困難な契約など、見た目以上に大変なものです。(偏見あり)

Nvidia の例で言えば、Nvidia がゲーム以外の様々な産業におけるGPUアクセラレーション・コンピューティングの需要の高まりを利用したように、Planet はEOデータおよび技術の需要の高まりを利用できる可能性があります。しかし、Nvidia のような移行を達成するには、戦略的な転換、大規模な研究開発、および良好な市場環境が必要です。