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​ミャンマーの大地震から読み解く地震のサイクル

​ミャンマーの大地震から読み解く地震のサイクル

​ミャンマー中部を南北に縦断する全長約1,000kmのサガイン断層は、インドプレートとユーラシアプレートの境界に位置し、非常に活動的な断層として知られています。​この断層では過去にも大規模な地震が発生しています。

2025年3月28日に発生したマグニチュード7.7の地震は、サガイン断層の一部が活動した可能性が高く、少なくとも200kmの断層破壊が起こったとみられています。 ​

この地域では約200年間大きな地震が発生していなかった「空白域」とされており、今回の地震はその部分で発生しました。 ​

サガイン断層沿いでは、過去にマグニチュード7.0以上の大規模な地震を引き起こしている​

この断層は、過去に数多くの破壊的な地震を引き起こしており、例えば1839年のアヴァ地震(推定マグニチュード8.0以上)では、多くの都市が被害を受けました。 ​

・1839年:​マグニチュード7.4の地震が発生。​
→ 次の地震まで: 91年

・1930年:マグニチュード7.3の地震が発生
→ 次の地震まで: 16年

・1946年:マグニチュード7.5の地震が発生
→ 次の地震まで: 10年

・1956年:マグニチュード7.1の地震が発生
→ 次の地震まで: 19年

・1975年:マグニチュード7.0の地震が発生
→ 次の地震まで: 37年

・2012年:マグニチュード6.8の地震が発生
→ 次の地震まで: 13年

・2025年3月28日:​マグニチュード7.7の地震が発生。​

20世紀初頭には、1929年から1931年にかけて、サガイン断層の半分以上が関与する大きな地震が連続して発生しました。​特に1930年5月のマグニチュード7.5の地震では、ペグー(現在のバゴー)やヤンゴンなどで大きな被害と多数の死者が報告されています。 ​

さらに、1946年にはマンダレー北部でマグニチュード7.3と7.7の二連続地震が発生し、地滑りや地盤の崩壊を引き起こしました。​1956年にはマンダレー近郊でマグニチュード7.1の地震が発生し、少なくとも40人が死亡しています。 ​

これらの地震は、サガイン断層の活動によるものと考えられています。​特に、1839年以降、約40~50年周期で大規模な地震が発生している傾向が見られます。​しかし、2025年の地震が発生した地域は、約200年間大きな地震が起きていなかった空白域であったと報告されています。 ​

この年表から分かるように、サガイン断層での地震発生間隔は10~90年以上と幅があり、周期性は明確ではありません。しかし、おおむね10〜40年程度の間隔で大地震が発生している傾向があります。

今回は2025年3月28日にミャンマーで発生したマグニチュード7.7の大地震は、過去にも大規模な地震が起こってきたサガイン断層で発生しました。このように大きな地震は、ある種のサイクルやパターンがあり、待ったなしで必ずまた大きな地震が発生することが確認できます。