OpenAI の Sam Altman (サム・アルトマン) は原子力発電のスタートアップ企業に投資していることが知られています。今回は、サム・アルトマン氏が投資、会長、取締役を務めるエネルギー企業 Helion、UPower、Oklo についてご紹介します。
アルトマン氏は、自身が2015年に投稿した「エネルギー」というタイトルの記事で、兼ねてよりエネルギー問題に対する深い関心を持っていました。この記事で、アルトマン氏は次のようなことを語っています。
経済、環境、戦争、貧困、食糧や水の確保、グローバリゼーションの悪影響など、多くの問題がエネルギー問題と深く関わっている。世界で最も多くの人々を救う技術開発を1つ選ぶとすれば、おそらく根本的に改善されたエネルギー生成がそれだと思う。歴史を通じて、エネルギーコストが下がるにつれて生活の質は上がってきた。
20世紀は炭素エネルギーの世紀であったが、22世紀は原子エネルギー(地上での原子発電と太陽の核融合から比較的直接的に得られるエネルギー)の世紀になると私は確信している。21世紀の大半のエネルギーがどのように供給されるかはわからないが、私は物事を動かす手助けをしたい。
多くの人々が太陽光発電に取り組んでいるが、コスト、密度、予測可能性という点で大きな利点を持つ地上ベースの原子エネルギーに取り組んでいる人は少ないと思う。
その潜在的な重要性を考慮し、私は通常YCの取締役会には参加しないという方針を例外として、Helion Energy と UPower の取締役会に参加することにした。この2社は1年ほど前にYCを通過した。Helion は核融合に、UPower は核分裂に取り組んでいる。私はこの2社に取り組んでいる多くの企業を見てきたが、この2社がベストだと思う。私はこの2社の会長に就任し、両社のシード/Aラウンドにも投資している。
サム・アルトマンが投資するエネルギー企業
アルトマン氏は、エネルギー分野のスタートアップ企業に投資を行っており、その中には Helion、UPower、Oklo といった企業が含まれています。
Helion Energy (ヘリオン・エナジー)
Helion は、核融合技術を開発している企業です。彼らの目標は、持続可能でクリーンなエネルギー源を提供することで、エネルギー供給の問題を解決することです。Helion は、独自の核融合技術を使用して、大量のエネルギーを生成し、それを電力に変換することを目指しています。
多くの専門家は、核融合発電はまだ数十年先だと考えているが、マイクロソフトはすぐそこまで来ていると考えている。
OpenAI創業者サム・アルトマンが支援するスタートアップHelionが、2028年までに技術大手に電力を提供することに合意 https://t.co/5E38SCaMHdより
— Podkayne Podkayne (@PPodkayne) May 10, 2023
Helion は、2028年までに大手ハイテク企業 Microsoft に電力を供給することで合意しています。Microsoft は OpenAI の株式を持っていますので、まずは身内からということですね。
UPower (アップパワー)
UPower は、小型の核反応炉を開発している企業です。これらの反応炉は、遠隔地や電力供給が不安定な地域で使用することを目指しています。UPower の技術は、持続可能で信頼性の高いエネルギー供給を提供することを目指しています。
Oklo (オクロ)
Oklo は、小型の高度な核分裂技術を開発している企業です。彼らの目標は、持続可能でクリーンなエネルギーを提供し、エネルギー供給の問題を解決することです。Okloは、その技術を使用して、電力を生成し、それを電力網に供給することを目指しています。
これらの企業は、それぞれ独自の方法でエネルギー問題に取り組んでおり、それぞれが提供する解決策は、エネルギー供給の持続可能性と安定性を向上させることを目指しています。
現在唯一、一般人が投資できるのが、Oklo (オクロ) になります。現在2023年7月12日の時点では、AltC Acquisition Corp. との合併が発表されたタイミングですので、投資するとすれば、マージ前のSPAC株「ALCC」を購入することができます。
日本の証券会社では SBI 証券で「ALCC」を取り扱っています。正式に証券取引所にティッカーシンボル「OKLO」になって上場されるタイミングが、2023年末〜2024年初頭とのことです。SPAC株については、かなりリスクだらけですので、初心者にはおすすめしません。