お金を増やすうえでいちばん大切なのは、「複利の力」です。ウォーレン・バフェットは、これを直感的に理解している人を “マネーマインド” の持ち主と呼びます。
複利とは、元本だけでなく増えた利息にも再び利息がつくしくみのことで、言わば「雪だるまが転がるほど大きくなる」現象です。ポイントは時間をテコにすることです。
複利は、リターンの百分率より「続けた年数」にこそ威力を発揮します。
小学校で学ぶはずの知識が、大人になって抜け落ちている
小学校で習ったはずの知識を、大人になった今、すっかり忘れてしまっていませんか?
たとえば、「毎月1万円や3万円をコツコツ貯金しても、大した金額にはならないだろう」と思ってしまうのは、「複利」のイメージが湧かないからです。
仮に、年利5%で毎月1万円を積み立て続けたとすると――
10年後:ざっくり元本より 約25% 増加
20年後:元本の 約2倍
30年後:元本の 約3.5倍
という具合に、しっかり増えていきます。「雪だるま」が転がる距離(時間)が長ければ長いほど、大きく育っていく──そんなイメージを持ってみてください。
バフェットは「超高利回り」より「まあまあ優秀 × 超長期」を選ぶ
バフェット自身の年平均リターンはおよそ20%弱と言われます。一見驚異的ですが、「一発で何百%」という派手さではありません。重要なのは、次のような確信です。
・平均点を取り続ける安定感
・60年以上という運用期間の長さ
上記の掛け算です。バフェットは「卓越より継続」を重視します。
「どれだけ長く続けられるか」が勝負を決める
多くの人は「どうすれば投資で卓越できるか」を追い求めます。しかし “マネーマインド” の視点は逆です。
・損を避ける(大きな失敗をしない)
・無理のないリターンでも、複利で膨らむのだから続ける
この2点を守り、時間を味方につけるだけで、最終的に “とても優秀” な結果に到達できる――それが複利の本質であり、バフェットのマネーマインドなのです。
もう一つ重要なのは「時間」
私たちはしばしば、成功の要因を、知性、ガッツ、根性に求めがちです。しかしウォーレン・バフェット流のマネーマインドが教えてくれるもう一つの最重要レバー(てこ)は「時間」です。
たとえリターンが平均点でも長く続ければ、最終的に上位層へ到達できる確率が格段に高まります。
待てない時代 (FOMO) に「待つ力」を持つ価値
ところが私たちは「待つ」ことが苦手です。SNSのタイムラインは、“今すぐ結果が出る” 事例であふれ、忍耐力をさらに難しくしています。所謂 FOMO (取り残されることの恐怖です) です。
しかし複利と同じく、時間こそ最大の味方です。焦って売買を繰り返すほど、複利の雪だるまを自分で崩してしまいます。
いちばん多い疑問「結局、どこにお金を置けばいいの?」
ここで誰もが抱く疑問が、「では、そのお金を具体的にどこに置くべきなのか?」ということです。多くの専門家が言葉を濁すのはライセンスのせいだけではありません。本当に個々人で最適解が違うからです。
それでも、大半の人に共通する “ほぼ間違いない指針” があります。
シンプルな資産配分こそ最強戦略
以下は、ありがちな思い込みと、それに伴う実際に起こりがちな現象です。
– 努力して研究し、銘柄を頻繁に入れ替えるほど成績が良くなるはずだ → 取引コストと感情売買でリターンが目減りする
– ニュースやSNSで話題の投資法は “裏技” だから試さないと損 → 根拠薄弱な情報に踊らされ、短期的な流行に巻き込まれる
– 分散よりも「当たり銘柄」に全力投資したほうが効率的 → リスクが集中し、一度の失敗で複利の基盤が破壊される
結論、大多数の人ほどインデックス投資
結論としては、大多数の人ほど「低コスト・広く分散・ほったらかし」の三拍子が強い。
例:ごくシンプルなベースポートフォリオ
・世界株インデックス・ファンド(例:全世界株式やS&P500連動型)
期待リターンは市場平均。コストが低く“複利エンジン”に最適。
・国内外債券インデックス・ファンド
価格変動を和らげ、暴落時に「売らずに済む精神安定剤」の役割。
・生活防衛資金(現金)
生活費の3~12か月分を普通預金に確保。これが時間を味方につける土台。
ポイントは比率より続けられる仕組みです。投資割合は年齢・収入・家族構成で変わります。大切なのは途中で降りないで済む設計です。
まとめ
・時間は複利と並ぶ“最強のテコ”。平均点でも長期継続で上位に到達。
・複雑な売買ほど成果を損ねる。多くの人には「シンプル×分散×放置」が最適。
・成功確率を最大化する秘訣は“途中で降りない”設計に尽きる。
「待つ力」を鍛え、今日からコツコツ続ける。それだけで、ウォーレン・バフェットの言う、あなたの “マネーマインド” 確実に育てることができるはずです。