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ビル・グロス氏、今は「ナイフを掴みにいく」タイミングではないと助言

司会者 : 投資家たちは一斉に債券という安全資産に逃げ込んでいます。さて、ここで「債券王」、PIMCOの共同創設者であり、著書『The King and I』の著者でもあるビル・グロス氏の声を聞いてみましょう。

彼は急遽電話で出演してくれました。ビルさん、ありがとうございます。あなたは3月14日に、「トランプは物事を壊すことを恐れていない」「市場戦略家は“ベア(弱気相場)”という言葉を口にするのが難しいようだ」とツイートしていました。

この状況をどう見ていますか?あなたはこのようなサイクルを何度も経験してきましたよね。

これは1971年の金本位制の終了に匹敵する歴史的な出来事

これは1971年の金本位制の終了に匹敵する歴史的な出来事だと思います。昨日発表された関税政策は、マーケットの底をすぐに見極められるようなものではありません。

これは、トランプ大統領が現在のスタンスを取り続ける限り、我々が長く向き合っていかねばならない問題です。先ほどのゲストが「トランプ・プット(トランプが市場に配慮して方向転換する可能性)」について触れていましたが、私はこれを第一次世界大戦に例えたい。

当時は一つの出来事をきっかけに国同士の連鎖的な反応が止まらなくなりました。同様に今の状況も、一度言ったこと・やったことから引き返せなくなっている状態に似ています。

すべてはトランプ大統領次第だと思いますが、彼が簡単に引くことはないでしょう。はっきり言えば、トランプ大統領は「マッチョな男」であり、ナスダックが5%下がったくらいで引き下がるような人物ではありません。

最悪のシナリオ

司会者 : 多くのコメンテーターが「これは交渉術だ、いずれ止まるだろう」と言っていますが、もし続いてしまったら?
さらに他国が報復し、状況がエスカレートしたらどうなるのでしょうか?

最悪のシナリオは、まさに先ほどの第一次世界大戦の例えです。ベストなシナリオは、数日から数週間、もしくは数ヶ月後にトランプ氏が「この政策はうまくいっている」と主張し、落ち着いた対応に切り替えるケースです。

ただし私は、トランプ氏が明日や来週に方向転換するとは思っていません。これは通貨、市場、世界経済政策すべてに大きな影響を及ぼす深刻な局面です。

今は「ナイフを掴みにいく」タイミングではない

各国がトランプ氏の政策にどう反応するかによって、状況は日々変化しています。今は「ナイフを掴みにいく(下落中の株を買いに行く)」タイミングではありません。

多くの「お買い得」は、数日後・数週間後・数ヶ月後にもまだ残っているはずです。落ち着いて、今日パニックで売るようなことは避けるべきです。

グロス氏の投資戦略

このようなマクロの状況を、戦術的にどう動けばいいかという点で、私は国内企業の株、特に AT&T や Verizon といった通信株を購入しています。

また、Altria のような配当利回り7〜8%のタバコ株も買っています。これらの銘柄は今のところ順調ですが、上がり続けたとしても、すでに「買われ過ぎ」になっているようにも見えます。

そして私が驚いているのは、CNBCのパネルディスカッションなどで「キャッシュ(現金)」について語られることがほとんどないことです。私のキャッシュポートフォリオは4.3%の利回りがあり、しかも元本は減りません。