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Kerrisdale Capital が、AST SpaceMobile のショートレポートを公開！

Kerrisdale Capital (ケリスデール・キャピタル) が、AST SpaceMobile のショートレポートを2022年9月15日に公開した。『現実と無縁の世界』と題されたショートレポートは PDF で確認することができます。

ショートレポートを公開したタイミングが、明日SQを迎え、来週には FOMC を控えたタイミングで投下してくるあたりがさすがというか、仕立て屋というか。WSBじゃなければ買い支えるのも難しく、個人投資家も一旦売るしかないのがこの手のトレード手法です。

Kerrisdale Capital は、AST SpaceMobile のショートレポートについて、Twitter スレッドでも端的にツイートしていますので、そちらを翻訳してご紹介します。

AST SpaceMobile (ASTS) をショートしています。http://kerr.co/asts で報告します。AST SpaceMobile は20億ドルの収益前衛衛星企業で、軌道に乗る見込みのない途方もなく壮大なビジョンを実現するために資金を大量に流出している (1/8)

我々がインタビューした宇宙と衛星通信の専門家は、宇宙船の設計、サービスの質、アドレス可能な市場、SpaceX や Apple との競争に対する実行能力など、AST SpaceMobile の計画のほぼすべての面で懐疑的であった (2/8)。

AST SpaceMobile が約束したサービスと財務状況を実現するために必要な、約8倍の大きさの量産型 Bluebird1 (BB1) は、2年遅れており、我々のチェックでは、今後さらにコストのかかる遅延が予想される (3/8)。

マネージメントはBB1の時期に関するガイダンスを撤回し、業界筋によると初期軌道も疑問視されている。ブルズは、存在しない衛星の技術仕様に埋没し、いつ、いくつ、いくらで、どこに行くのか、まだ明確でない (4/8)。

BB1コンポーネントの計画を見直したあるコンサルタントは、それらを “未熟” と呼んだ。ある情報筋によれば、AST SpaceMobile の予測は SpaceX の Starship を使った安価な打ち上げに依存しているとのこと。Starship のタイミングが不明確で、SpaceX が直接の競争相手となったため、BB1のタイミングは悪くなるはずである。(5/8)

高名な衛星通信の専門家によれば、AST SpaceMobile の技術は携帯電話に接続することが出来るが、信頼性については別の問題であるとのことである。衛星直下のオープンフィールドでない限り、特に屋内では接続が不安定になる。

50億台の携帯電話という TAM はナンセンスである。接続された人々がグリッド外で過ごす時間はごくわずかであり、ユースケースはニッチで、接続されていない人々をマネタイズすることはほぼ不可能である。(7/8)

実行はひどいものだった。24年の EBITDA は10億円と案内された (笑)。限られた、ほとんど採算の取れないサービスを提供するには、はるかに長い時間とコストがかかるだろう。その欠陥のある技術と脆弱なビジネスケースにより、AST SpaceMobile は乱暴に過大評価されている。(8/8)

繰り返される SPAC 株のショートレポート

これまで幾度となく、IPO 株や SPAC 株のショートレポートを見てきましたが、大体が盛り上がってる (ちょいバブル？) 人気の銘柄の地合い等にぶつけてショートレポートを仕掛けてくるのが、この手のレポートです。

最近では量子コンピューターの IonQ (IONQ) やショートレポートにあい株価が半分くらいになったのも記憶に新しいです。しかしショートレポートも稀に正しいレポートを告発し、SPAC 銘柄を地獄に追いやることもあります。忘れもしないEVメーカーの Lordstown Motors (RIDE) です。

革新的な技術が持て囃されていましたが、その技術は擬装的であり、ショートレポートの後に Lordstown Motors は二度と高値に戻ることはありませんでした。

過去に Astra も餌食に …

実はこの Kerrisdale Capital (ケリスデール・キャピタル)、過去2021年12月30日に Astra (ASTR) のショートレポートを公開し、その後 Astra は -90% ダウンしたことを勝ち誇っています。しかし正確には、Astra の度重ねる打上げの失敗、打上げシステムの開発中止 (新バージョンの開発着手)、それに伴う2023年以降まで打上げ未定という失態によるものです。

まあ確かに SPAC という投資対象は絵に描いた餅というか、かなりストーリーを盛って投資家に夢を見せる投資対象ということは忘れてはならないと思います。稀に SPAC の中にも原石が混じっていますので、注意が必要です。

私たちのレポート以来、$ASTR は-90%下がりましたが、最近公開された元宇宙の寵児だけがゼロではありません。

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