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成長著しいベトナムへの投資、ETFと投資信託どちらが良いか?

ベトナムへの投資、ETFと投資信託どちらが良い?

2024年11月9日、そろそろ高値圏にある米株指数などを意識しながら2025年に向けて割安で成長余地のある新興国に目を向けていきたい、なかでも割安で放置されており、2024年に躍進したインド株のような力を秘めたベトナムに注目しています。

インド同様に人口増加、経済成長が続くベトナム市場も注目されています。特に、VN100指数に含まれる大型・流動性の高い銘柄への投資は、リスクを抑えつつ成長ポテンシャルを享受できる可能性があります。

だったら米国市場に上場しているベトナムETF (VanEck Vietnam ETF) で良いと思うのですが、ドル円の為替も気になります。現在1ドル152.64円と、再び円安が進行していますが、一旦どこかで円高に振れそうな予想もあります。

長期では円安傾向にあると思いますが、為替も見ると円でベトナムの投資信託を買うのが安牌なのではないか?と思うわけです。更に、これまでベトナムの投資信託を買おうとすると、信託報酬が1.9%以上 (「ベトナム株式ファンド」、「DIAMベトナム株式ファンド」など) 結構高めのものしかなく、渋々買っていたというのが実情でした。

iFreeNEXT ベトナム株インデックスが2024年6月に登場!

しかし2024年6月28日に、遂に信託報酬が1%を切る0.781%という大和アセットマネジメントが手掛けるベトナムの投資信託「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」の運用が開始されました。

– 投資対象:VN100銘柄(時価総額が大きく流動性の高い100銘柄)
– 信託報酬:0.781%(税込)
– 運用開始:2024年6月28日

大和アセットマネジメントが運用する「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」は、信託報酬が0.781%と1%を下回り、国内のベトナムファンドとしては低コストの選択肢です。長期的に円安基調が予想される中、円建てでの投資は安定した通貨リスク管理が可能です。

投資対象の「VN100指数」は、流動性の高い大型株100銘柄にフォーカスしているため、個別銘柄の選定リスクを抑えながらもベトナム市場の成長に乗ることができます。

正直、「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」の信託報酬「0.781%」は、人気の米国株式インデックス・ファンド「楽天・全米株式インデックス・ファンド (0.162%)」や「eMAXIS Slim 米国株式 (0.09372%)」に比べると高めですが、ベトナムファンドにおいては非常に低い水準です。

これまで一般的だった1.9%以上の信託報酬と比べれば、費用負担が軽減されており、長期保有によるパフォーマンスの底上げが期待できます。

選書『加速経済ベトナム: 日本企業が続々と躍進する最高のフロンティア』

ちなみにこの件を知ったのは、偶然本屋で『加速経済ベトナム: 日本企業が続々と躍進する最高のフロンティア』というベトナム経済についての最新の著書を見て知りました。ベトナムの経済に興味があり、投資したいという方は是非お読み下さい。

「VNM」と「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」を詳しく比較

米国上場のベトナムETF「VNM」と日本の投資信託「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」のどちらが長期投資に適しているかについて、信託報酬や為替リスクも含めて検証します。それぞれの特徴を比較し、メリット・デメリットを明確にします。

VNM(VanEck Vectors Vietnam ETF)

上場市場: ニューヨーク証券取引所(NYSE)
運用会社: VanEck
投資対象: ベトナム企業および、ベトナム経済に関連する企業
信託報酬: 約0.66%(年率)
取引通貨: 米ドル(USD)
配当: 四半期ごと(課税対象)

iFreeNEXT ベトナム株インデックス

取扱証券会社: 日本国内の証券会社
運用会社: 大和アセットマネジメント
投資対象: ベトナム株式市場の指数に連動するパフォーマンスを目指す
信託報酬: 0.99%(年率)
取引通貨: 日本円(JPY)
配当: 分配金なし(再投資型)

信託報酬の比較

ファンド 信託報酬率 特徴
VNM 0.66% 比較的低コストで、ETFとしては一般的な範囲
iFreeNEXT ベトナム株インデックス 0.99% 投資信託の中ではやや高め

「VNM」の方が信託報酬が低いため、長期投資でのコスト負担は「iFreeNEXT」よりも抑えられます。

為替リスクの比較

・VNMの為替リスク

VNMは米ドル建てであり、米ドルと日本円の為替変動の影響を受けます。したがって、日本円の円安ドル高が進行した場合は評価額が上がりますが、円高になると評価額が下がるリスクもあります。

・iFreeNEXT ベトナム株インデックスの為替リスク

iFreeNEXT ベトナム株インデックスは日本円建てですが、ファンド自体はベトナムドン建ての株式に投資しています。つまり、ベトナムドンと日本円の為替変動の影響を受けます。ただし、この投資信託には為替ヘッジが施されていないため、円高になると評価額が下がるリスクも伴います。

どちらも為替リスクはありますが、iFreeNEXTは米ドルの変動リスクがなく、ベトナム市場の純粋な成長を享受できる点が魅力です。

配当と再投資の違い

VNMは四半期ごとに配当金を支払い、これは米国の課税対象となります。配当金を再投資したい場合は、配当金で新たに購入する手間が発生します。

iFreeNEXTは再投資型であり、分配金を自動的に再投資するため、運用効率が高く、長期での複利効果が期待できます。再投資を自動で行うiFreeNEXTは、長期投資で複利効果を最大化できる点で優位です。

取引コストと手数料

VNM: 米国株式を購入する場合、日本の証券会社で外国株取引口座を開設する必要があり、売買手数料が発生します。また、米国で課税された配当金には日本での申告が必要です。

iFreeNEXT ベトナム株インデックス: 日本国内で通常の投資信託として取引でき、売買手数料も証券会社によっては無料の場合もあります。

取引の利便性と手数料面ではiFreeNEXTが有利です。

分散投資と流動性

VNM: 米国市場に上場しているため、流動性は高く、売買がしやすいです。ただし、構成銘柄は約30~40銘柄程度であるため、分散度は限定的です。

iFreeNEXT: ベトナム株式の指数に基づくため、分散度はVNMと大差はありませんが、国内投資信託としての流動性は低く、解約には一定の日数がかかります。

流動性を重視する場合はVNMが有利です。

まとめ:どちらが良いか?

・コスト面
VNMの信託報酬はiFreeNEXTよりも低いため、長期的にはVNMが有利です。

・為替リスク
VNMは米ドルの影響も受けるため、米ドルとベトナムドン両方の為替リスクを抱えます。純粋にベトナム株の成長を期待するならiFreeNEXTが有利です。

・配当と再投資
配当の再投資効果を重視するならiFreeNEXTが適しています。

・取引コスト
日本国内で完結するiFreeNEXTが便利で手数料も安く済む場合が多いです。

長期的にベトナム市場の成長を信じ、複利効果を享受したい場合は、iFreeNEXT ベトナム株インデックスが良い選択です。低コストで米ドルも運用に含め、流動性を重視したいならVNMも有力な候補です。