今回は、2024年11月15日に報じられ大きな話題となった「基礎年金の給付水準を3割底上げ、財源は厚生年金保険料から捻出」というニュースの余波について取り上げます。
会社員が払ってきた厚生年金の金を、国民年金へと勝手に切り崩して流用し、会社員が払ってきた厚生年金の給付額が減らされる
嘘としか思えないやばい計画が政府で進んでるhttps://t.co/NRE4aluwZw— ゆな先生 (@JapanTank) November 14, 2024
この動きに関連して、もし今後iDeCo(個人型確定拠出年金)に特別法人税が復活した場合、積み立てた資金を引き出すことができず、資金から税金が自動的に引かれていくのをただ見守るしかない、という懸念が指摘されています。iDeCoの仕組み上、政府による資産課税に対して最も脆弱な「ノーガード財産」であるとされる点が議論の的となっています。
このように、資産課税に対して最も脆弱なノーガード財産がIDECO貯金なので、
引退するまでの数十年間もの間ずっと日本政府を心の底から信じられる人以外は、他に資産を逃すことができる他制度を使った方が賢いよ https://t.co/sJPYXnrtqS— マス郎(老眼) (@mansukitaleau) November 16, 2024
この記事では、この指摘について詳しく解説します。
特別法人税とは?
特別法人税は、確定拠出年金 (iDeCo) や企業年金などの積立金に課される税金で、積立金に対して「年0.2%」の課税が行われます。しかし、この税金は1999年以降「凍結」されており、現在は課税されていません。
なぜ特別法人税が問題なのか?
復活のリスク : 特別法人税は「一時的に凍結」されているだけで、法改正が必要なく、2026年から自動的に復活する可能性があります。政府が財政を補うために、この税を再開することが「簡単な方法」として懸念されています。
引き出し不可のリスク : iDeCo は老後資金を目的とした制度のため、原則として60歳以降になるまで積立金を引き出すことができません (ただし、加入期間や加入時期などによって、65歳まで引き出せない場合もあります)。
仮に特別法人税が復活した場合、積み上げた資産に税金が毎年かかり、自分で資金を守る手段がない状態になります。SNSで「iDeCo で積み立てたお金が引き出せないリスク」という記述を目にすることがありますが、これは iDeCo の仕組み上、60歳になるまで引き出せないというルールを指しています。
この引き出し制限は、制度設計上の特徴であり、資金の安全性や老後の資産形成を目的としています。
この点について誤解が生じないようご注意ください。iDeCo は、老後資金を確実に準備するための制度であるため、加入前にこの仕組みをよく理解することが重要です。
iDeCo はノーガード資産!?
iDeCo はその特性上、積み立てた資産を外部の影響から保護する仕組みが乏しいとされ、特別法人税のような課税が再開される場合に対して非常に脆弱であるとの指摘があります。
一度積み立てたお金は60歳まで引き出すことができないため、仮に政府が課税を再開すれば、資産価値が毎年徐々に削られていくリスクがあります。このため、iDeCo は「ノーガード資産」と表現されることがあり、老後資金の準備にあたっては、この点をよく理解しておく必要があります。
他の資産運用制度を検討すべき理由
iDeCo は節税メリットがある一方で、資産が長期間拘束されるという特徴があります。このため、政策変更(例えば特別法人税の復活など)の影響を受けやすいというリスクが存在します。
そのため、2024年以降に資産運用を始める場合、まずは2024年から開始された「新NISA」を活用するのが賢明です。新NISA は、短期から中長期まで幅広い運用に対応できる非課税制度で、資金を必要なタイミングで柔軟に引き出すことが可能です。
iDeCo を利用するのは、新NISA の枠を使い切った上で、さらに節税しながら資産運用を進めたい場合に限定されるでしょう。このように、リスク分散や資金の流動性を考慮して運用制度を選ぶことが重要です。
まとめ
私は新NISAが登場するずっと前から、「iDeCo」や「つみたてNISA(現:新NISA)」を積み立ててきました。そのため、政府が今後 iDeCo にどのような政策変更を行うのか、ただ見守るしかない状況です。
しかし、2024年以降に資産運用を始める人にとっては、まず新NISAが最適解となるでしょう。新NISA は非課税で柔軟性が高く、資産運用のスタートとして非常に優れた選択肢です。
それでも新NISA の枠では足りないという場合や、さらなる節税を目指したいときに、iDeCo が追加の資産運用の選択肢として浮上してくるでしょう。柔軟性と節税のバランスを考慮し、どの制度を優先的に活用するかを判断することが重要です。