株式投資の世界には、「麦わら冬に買え!」というような格言があります。今回はこの格言を投資戦略に落とし込み、季節に応じた投資戦略を考えてみたいと思います。
“麦わら帽子は冬に買え”
とは、投資の世界におけるタイミングの重要性を説く投資の格言です。この格言は、投資家に対して、季節変動による割安な時に資産を買い、価値が高まった時に売却することを推奨しています。
今回は、この格言に込められた投資戦略を探り、天然ガス市場に焦点を当てながら、この戦略を投資家のポートフォリオにどのように適用できるかを例示します。
「麦わら帽子は冬に買え」の意味
つまり、麦わら帽子が必要になるのは夏です。麦わら帽子を夏に買っていては、誰もが考えることなので儲かりません。そこで、麦わら帽子が最も必要ない冬の時期にある程度割安で仕込んでおき、麦わら帽子の需要が出てピークに達する夏に売り儲けようという投資戦略です。
この格言は、価格が安いときに資産に投資し、価格が上昇したときに売却することで、市場の季節変動を利用して利益を得る考え方です。
天然ガスは夏に買え!
“麦わら帽子は冬に買え”、という季節的な投資機会について述べている格言は、様々な資産クラスで応用できると思います。例えば、季節によって価格が変動する資産の代表例として、天然ガスが挙げられます。
天然ガスは、特に寒冷地では家庭や企業を暖めるための重要なエネルギー源です。そのため、暖房を必要とする冬場は需要が急増し、価格が上昇する傾向があります。一方、天然ガスは夏場になると需要が減り、価格が下がります。
2023年4月現在、2022年にロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格はかなり上昇したものの、天然ガスは同年欧州の冬が暖冬傾向だったため、需要過多に陥り天然ガス価格は結局、ロシアのウクライナ侵攻前よりも安くなり下落しました。
その年の冬が寒冷なのか暖冬なのか?を読むのは難しいため、そういった天候のリスクはつきものですが、私はは天然ガス価格は現在ほぼ底圏内を横ばいしており、きっかけさえあれば次第に買われていくと思います。この記事を書いています現在 (2023年4月11日) は春ですが、私は今年の冬に向けて天然ガスを買っていこうと思っています。
既に少しだけロングしていますが、買い増ししていこうと思っています。それは何故か?というと、ロシアとウクライナの戦争はまだ終わっていませんし (つまりエネルギー環境は特に変わっていない)、2022年の冬は暖冬で天然ガスが足りなくなる、寒すぎて冬を越せない … なんてことは避けれましたが、2023年の冬がどうなるか?は分からないからです。
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天然ガスに「麦わらぼうしは冬に買え」の法則を当てはめる
投資家は、価格が下がる夏場に天然ガス先物や天然ガス生産者の株式、ETFを購入することで、こうした季節変動を利用することができます。冬が近づき、天然ガスの需要が高まると、天然ガスと関連する投資の価格が上昇する可能性があります。冬の間にこれらの投資を売却することで、投資家は投資による利益を実現できる可能性があります。
ETFで大きく上昇しているのは、プラス6.71%の天然ガスのETF(UNG)です。たしかに大きな上昇ですが、極めて強いダウントレンドなので今日の上げは全く目立ちませんね(日足)。 pic.twitter.com/flm99sObtB
— T.Kamada (@Kamada3) April 10, 2023
そのため、天然ガス価格が低い夏場に、天然ガス生産会社、関連会社の株式を購入します。冬が近づき、天然ガスの需要が高まると、天然ガス関連の株式価値も上昇する可能性があります。そして、投資家はポジションを売却し、季節的な価格上昇によって生じた利益を得ることができるのです。
まとめ
「麦わら帽子は冬に買え」という格言は、投資における季節的なタイミングの重要性を示唆しています。天然ガスのように季節によって価格が変動する資産を見極めることで、投資家はそのトレンドを利用し、利益を得ることができる可能性があります。ただし、どのような投資戦略であっても、リスクを十分に考慮し、十分な調査を行った上で投資判断を行うことが重要です。