ウォーレン・バフェット氏が2025年2月22日に発表したバークシャー・ハサウェイの年次株主への「手紙」を公開しました。バフェット氏は、日本の主要商社5社(伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)への投資を拡大し、過去6年間で投資額を138億ドルに増やし、現在の評価額は235億ドルに達していると述べています。
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バークシャー・ハサウェイの日本投資について
バークシャー・ハサウェイは、日本の5大商社(伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)への投資を拡大しました。最初の投資は2019年7月に開始し、当時の財務データを確認したところ、株価が驚くほど割安であると判断したものです。
その後も日本の商社に対する評価が一貫して向上し、バークシャーのグレッグ・エーベル(後継予定CEO)とバフェット自身が定期的に企業の進捗をフォローしています。
日本商社の魅力
日本商社5社(伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)ともに適切なタイミングで配当を増やし、合理的な水準で自社株買いを実施しました。
経営陣の報酬体系がアメリカ企業よりも控えめであり、株主に対して誠実な姿勢が見られます。これらの特性が、バークシャーの投資方針と一致しました。
今後の投資方針
バークシャーは日本の商社株を長期保有する方針です。当初は各社の株式保有比率を10%未満に抑える方針だったが、5社と協議の結果、この上限を「やや緩和」することで合意しました。
これにより、今後、バークシャーの日本商社株の保有比率がさらに増加する可能性があります。
投資規模と収益
– 2024年末時点での投資額(取得コスト):138億ドル
– 市場評価額:235億ドル(約1.7倍に成長)
– 2025年の予想配当収入:8億1200万ドル。
– 円建ての社債を発行しており、2025年の円建て負債の金利負担は1億3500万ドル程度
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円借入の活用
バークシャーは継続的に円建て債務を増やしています(すべて固定金利)。為替変動のリスクを最小限に抑えるため、ドルと円のバランスを調整。2024年末時点で円の為替差益による税引後利益は23億ドル(そのうち2024年分は8.5億ドル)。
バフェット氏の見解
日本の商社はバークシャー・ハサウェイの投資哲学に合致しており、長期的な関係を構築する方針を示しています。
バークシャーの後継予定の CEO グレッグ・エーベルや将来の経営陣も、引き続きこの日本投資を維持・拡大する可能性が高いことを示し、日本企業とのさらなる協力の可能性も示唆しています。
まとめ
バフェット氏の2024年の株主への手紙では、日本の商社投資が特に強調されており、バークシャー・ハサウェイが今後も日本市場でのプレゼンスを拡大する意思が明確に示されています。
日本の商社への評価が高く、特に資本配分と株主還元の姿勢を評価している点が重要なポイントです。この記述は、海外投資家の日本市場への関心を引き続き高める要因となりそうです。