2023年末の生成AIの勃興により、ここ数年は「AI (人工知能)」がブームになっており、先導株だった NVIDIA、現在の先導株 Palantir と、AI関連銘柄がどんどん上がっていました。
こういう “熱狂” や “バブル” は、いつの時代も形を変えて起きるものです。それは、人間の感情──「もっと儲かるかも!」「乗り遅れたくない!(FOMO)」といった欲望や焦りから来るものであり、いつの時代も今も変わらない人間の欲望です。
たとえば17世紀のオランダでは、チューリップの球根が今のビットコインのように高騰しました(有名なチューリップ・バブルです)。ITバブル、仮想通貨バブル、NFT、WEB3、そして今のAIバブルも、その「形」は違っていても、人間の心理構造はいつの時代も同じです。
バブルの裏で「本当のバリュー」は毎回違うところにある
面白いのは、バブルが起きるときこそ、見向きもされない “価値ある資産” バリュー株が必ず存在するということです。たとえば2000年のITバブルのとき、株式市場はドットコム企業で沸き返っていました。
でも、テンプルトン卿のような逆張り投資家は、人気がなかった長期国債を大量に買っていました。結果的に、バブル崩壊後にそれらが大きなリターンをもたらしました。
しかし、今同じように長期債を買っても当時のような妙味はありません。なぜなら、今のバリュー(割安資産)は別の場所にあるからです。つまり、時代によって “割安” の形も変わります。
今(AIバブル)であれば、例えば、ドル高の影響により原材料高で圧迫されていた製造業や薄利で放置されていた食品株など、注目が集まっていないセクターにチャンスがあるかもしれません
このように、バブルの “主役” が何かを見れば、その影にある “脇役” の中にこそ宝が眠っている可能性が高いということです。
まとめ
バブルは避けられないし、形も時代ごとに変わります。でも、そのたびに「本当に割安な資産」もまた変わっているのです。だからこそ、バリュー投資家は流行を追うのではなく、「今、誰も見ていない資産」に目を向ける視点が大切です。