量子コンピューティング Rigetti Computing (リゲッティ・コンピューティング)、80量子ビットのAspen-Mシステムの商品化とCLOPSスピードテストの結果を発表。
Today we announced the commercial availability of our 80Q Aspen-M system, along with initial CLOPS measurements and gate fidelities. Available now on Rigetti Quantum Cloud Services and Amazon Braket $SNII https://t.co/UzkD1oxlCt
— rigetti (@rigetti) February 15, 2022
2022年2月15日、Rigetti Holdings, Inc. (以下、「リゲッティ」)は、本日、80量子ビットの量子システムAspen-Mの商用化を発表しました。このシステムは、Rigetti の量子クラウド・サービス(QCS)を通じて、同社の直販および流通顧客に本日より提供されます。また、Rigetti はAspen-Mで行ったシステムのスピードテストの結果を報告しました。
Rigetti の創業者兼CEOであるチャド・リゲッティは、
昨年、当社独自のマルチチップ技術を世界に紹介しましたが、量子コンピュータを構築する当社のアプローチには、現実世界の問題を解決できるシステムへの拡張という課題に対応できるなど、非常に大きな利点があると信じています。
Aspen-M は、このマルチチップ技術を採用した当社初の商用システムです。本日、Aspen-M をお客様に一般提供し、当社のプロダクション・プラットフォームで Aspen-M を使ったシステム・スピード・テストの初期結果を発表できることを嬉しく思います。
と述べています。
Aspen-M システムの提供
Aspen-M は、Rigetti の量子クラウドサービスで提供されており、Nasdaq、Deloitte、DARPA、U.S. Department of Energy などの企業や公共部門の顧客と Rigetti との間で行われている多くのコラボレーションをサポートします。
本日より、Aspen-M は Amazon Braket でもエンドユーザーに提供され、2019年に Amazon Braket が開始されて以来、同サービスを通じて提供される Rigetti のシステムがますます強力になっていることを示しています。
さらに Rigetti は、この80量子ビットのシステムが、Azure Quantum、Strangeworks QC™、Zapata のOrquestra™ プラットフォームを通じて、今後数ヶ月のうちに提供されることを期待しています。
Aspen-M のシステムスピードテスト
CLOPS (Circuit Layer Operations per Second) とは、ゲート速度、再プログラム可能性、コプロセッシング能力などを含めた量子処理速度の指標です。
Rigetti はこれまで、重要な速度指標としてゲート速度を追跡してきました。CLOPS は、ある単位時間内に量子コンピュータシステム上で実行できる回路の数を表すように設計されています。
CLOPS は、デバイス上の量子リソースを活用して、実行パイプラインのすべての部分に負荷をかけながら、回路の集まりを可能な限り高速に実行します。CLOPS は当初、IBMが開発し、2021年10月に発表しました。
Rigetti は本日、最新の40量子ビットシステム「Aspen-11」と、80量子ビットシステム「Aspen-M」について、CLOPS に基づく結果を報告しました。発表された定義に基づいて100ショットのテストを行った結果、40量子ビットの Aspen-11 システムでは844、80量子ビットの Aspen-M システムでは892の CLOPS を達成しました。
これらの結果から、現在のリゲッティシステムは、システム内の量子ビット数が増加しても、この CLOPS スピードテストで同等以上の性能を発揮することがわかります。
ちなみに、IBM が公表している5、27、65量子ビットのシステムの CLOPS スコアは、2021年10月の公表時点で、それぞれ1419、951、753でした。
典型的なユースケースでユーザーが潜在的に期待できるものを反映させるために、Rigettiは1000ショットを使ってCLOPSを評価しました。この場合、Aspen-11 は 7512CLOPS、Aspen-M は 8333CLOPS となり、ショット数と量子ビット数の両方が増加しても、同等以上のシステム速度が維持されることが分かりました。これらのスピードテストは、Rigetti QCS の本番環境を使用して行われました。
CLOPS は、M × K × S × D / 所要時間として計算されます。M = テンプレート数 = 100, K = パラメータ更新回数 = 10, S = ショット数 = 100 (または1000), D = QVレイヤー数 = log2 QV. Rigetti の知る限り、スピードテストとしての CLOPS は、独立した第三者によって調査・検証されたことはありません。
また、Rigetti は Aspen-M および Aspen-11 の速度テストに上記の式を適用していますが、Rigetti が IBM と同じ方法でテストを適用したという保証はありません。
その結果、Rigetti、IBM、または将来 CLOPS を適用する可能性のある同業他社の間でテストの適用にばらつきがあると、CLOPS のスコアが比較できなくなり、実際の相対的性能が報告された結果と大きく異なる可能性があります。
IBM 以外の同業他社は、CLOPS をスピードテストとして発表していません。そのため、CLOPS で測定した他の競合他社の速度は、現時点では不明です。
また、量子コンピュータが提供する解答の正確さも重要な要素であり、特定のアプリケーションに対してより正確な解答を提供する場合には、遅くても量子コンピュータの方がユーザーにとって好ましい場合もあります。
さらに、CLOPSのようなスピードテストが反映する相対的な優位性は、業界関係者が新世代の量子コンピュータを導入することで変化する可能性があり、その結果、優位性は恒久的なものとは見なされず、時々刻々と変化することが予想されます。現在のCLOPSテストは、将来のテストの結果を示すものではありません。