日本のバリュー投資家、小塚さんの以下 Twitter スレッドが非常に有益ですので、こちらの記事として取り上げさせて頂きます。
中央銀行は円を毀損して借入を無しにしようとする戦略しか立ててはいないですし、行動原理には彼らの保身あるのみです。
例えば責任問題が起こるようなYCC修正は小出しに、かつ世論に押されていやいやながらしか出来ないでしょう。
— 小塚崇史@バリュー株投資 安全域を保つ (@keeping_safety) June 23, 2023
こちらの一連のツイートが示唆するように、政府と日銀の金融政策はどこを向かっているのか?それに伴う日本円、日本経済の向かう先はどうなるのか?という視点からおおよその事が読み取れると思います。
日銀の保身
日本の中央銀行(日銀)は、円の価値を下げて借入を減らすという戦略を採用しています。その行動原理は、自己保身のスタンスに表れています。また、責任問題が生じる可能性のあるYCC(Yield Curve Control)の修正は、小出しにされ、世論の圧力が高まるまで行われない傾向があります。
歴史的に見て、日本の内政は自発的に変化することが難しく、大抵の場合、外部からの力によって変化が引き起こされています。30年以上にわたる日本のデフレも、結局は世界経済のインフレの影響を受けて、世界に1年以上遅れるようなかたちで、日本でもインフレが進行しています。
日本の円安
日本の円安は、国内産業の復活やインバウンド観光の増加に寄与しています。しかし、これは途上国と同様に、輸出競争力を生むための低賃金が主流となる可能性を示唆しています。これは何を意味するのでしょうか?輸出企業やインバウンド、グローバル企業の経営者や株主にとっては有利な状況ですが、一般の市民にとってはどうでしょうか?
私自身も低所得者であり、庶民の生活状況を肌で感じています。大手企業を除けば、賃金の上昇は期待できず、物価は上昇しても給与は変わらず、庶民は生活の質を落とす以外に選択肢がないように感じます。(私はそのために投資を学び、投資をしています)
株価が上昇する可能性はありますが、その恩恵は経営者や投資家など一部の人々に限られ、経済格差が途上国のように拡大する可能性があります。これは、偏った成長の形が現れていることを示しています。一方、資産を日本円の預金のみで保有している一般の人々は、この恩恵を享受することは難しいでしょう。
【関連記事】日本は資産のある人だけが快適に暮らせる新興国に
日本は歴史的に外部要因でしか変わってこなかった
さらに、日本国民はストライキなどを起こさず、おとなしく、現行の政策を応援する傾向があります。これは、自由民主党への投票という形で表れていますが、このような状況では、政策を変えるインセンティブが政権側には存在しないと考えられます。
このような日本国民の保身というか、平和ボケというか、日本の特徴として、地震学者/経済学者の二刀流を極めるディディエ・ソネット教授は次のように述べています。
「日本は世界でも有数の地震大国で、過去に何度も大きな地震に見舞われ、そのたびに社会がリセットされてきた。」
ソネット教授の母国であるフランスは、自然災害の少ない国で、外生的なリセットに頼れない。だから人為的な (内政的な) リセットの仕組みとして、革命のような大掛かりな社会的イベントが必要になると言います。
日本の歴史を振り返れば、日本社会は外来的にしか変わることができないと歴史が証明しています。つまり内政に期待したところで、これまでも、これからも変わらないことが予想されます。
個人でそのことに気付き、自分で考えて動き出す必要があるでしょう。今後日本経済はどうなるのか?という大局観を捉え、それに合わせた資産運用だったり戦略が必要になるはずです。