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先進国で崩れゆくイギリスの現実

先進国で崩れゆくイギリスの現実

先日、イギリスでは医療を受けるのに3ヶ月以上待たされるというのをニュースで目にしました。更に先進国で富裕層の流出人数はトップとのことで、今イギリスで何が起きているのか?イギリスの医療制度と、現状について調べてみました。

イギリスの医療制度

イギリスの医療制度は主に、国民保健サービス (NHS) によって運営されています。NHSは政府が資金を提供し、国民は基本的に無料で医療サービスを受けることができます。

資金は主に税金から賄われており、一部の治療や処方薬に対しては少額の自己負担がありますが、多くのサービスは無料です。そのため、NHSは多くの医療サービスを提供していますが、需要が高く、特に専門医による治療や手術の場合、長い待ち時間が発生することがあります。

現在、待ち時間の長さが問題となっており、特に非緊急の手術や専門医の診察までの待ち時間が数ヶ月に及ぶことがあるという。

日本の医療制度

一方、日本の医療制度は、国民皆保険制度があり、すべての国民が健康保険に加入しています。これは政府が管理しており、国民は公的保険を通じて医療費の一部を負担します。

保険料は所得に基づいて計算され、自己負担額は原則として医療費の30%ですが、高額医療制度により支払額には上限があります​。日本では一般的に医療アクセスが良好で、専門医の診察や手術までの待ち時間は比較的短いです。

患者は自由に医療機関を選ぶことができるため、迅速に治療を受けることが可能です​。日本の問題としては、少子高齢化による人材不足で、既に様々な職種で問題になっているように、お医者さんが足りなくなるというリスクだと思います。

イギリスの病院は現在3.5ヶ月待ち

イギリスの医療制度と日本の医療制度の違いが分かったところで、再びイギリスに話を戻すと、2024年初頭の時点で、治療までの中央値の待ち時間は約14.5週間、つまり約3.5ヶ月、これはパンデミック前の待ち時間から大幅に増加しているそうです。

この待ち時間の増加には、COVID-19 パンデミックによる医療サービスの中断や、最近の医療従事者によるストライキなど、いくつかの要因が影響しているという。

待ち時間を短縮するために、患者に他の病院での治療を提案するなどの取り組みが行われていますが、NHSは高い需要と限られたキャパシティの間で苦労しているのが現実です。

先日見たニュースでも、イギリスの「ゆりかごから墓場まで」原則無料の手厚い医療制度で待ち時間平均3ヶ月半、待ってる間に癌が転移している患者さんもいて機能不全に陥っている … という現状が報道されているのを目にしました。

日本と医療制度は違えど、先進国イギリスも少しずつ壊れていっている、このようなニューノーマルが始まろうとしているのを感じます。日本の場合は、昨年以降、大工などの職人が足りなくなると言われているように、医療分野でも今後更なる人材不足が深刻化することが予想されます。

イギリス離れる富裕層、流出数約1万人か先進国で突出

そんな中、次に目にしたニュースへの反応として、「イギリスは様々な意味で日本の数年先のベンチマークになりそうだなと思いながら見ています。」というポストがあり、面白い視点だと思いました。

グラフで見ると、中国に次いで2番目に富裕層が流出しているというのは中々香ばしいです。現在、先進国では新たな働き手よりも、退職する人の方が増えており、そういった世代交代のサイクルもインフレに影響を与えているとされています。

日本は資産のある人だけが快適に暮らせる新興国に

アメリカも同様の世代交代のサイクルを迎えていますが、移民の流入により、日本やイギリスなどの先進国とは事情が異なります。2023年の記事で「日本は資産のある人だけが快適に暮らせる新興国に」と紹介しましたが、日本の少し先をイギリスが行っているというのは鋭い視点ではないかと思います。