ローレンス・サマーズ元米財務長官がブルームバーグに出演し、「3月の雇用統計」、「FRBが長期的に何をすべきか」、「ChatGPTが認知層を追い出すかもしれない」と考える理由などについて語っています。

More and more, I think ChatGPT is coming for the cognitive class. It's going to replace what doctors do — hearing symptoms and making diagnoses — before it changes what nurses do — helping patients get up and handle themselves in the hospital. https://t.co/q9ZMRPBMPo

— Lawrence H. Summers (@LHSummers) April 7, 2023

雇用統計は23万6000人と予想通りでしたが、この数字について

これはあまりニュースになるようなことではなかったと思います。ほぼ予想通りの結果でした。第1四半期の前半に見られたような力強さを反映した数字です。というのも、この数字は数週間前のものであり、さらに重要なのは、雇用と失業という数字が実体経済の遅れを示す指標であるためです。本当の問題は、銀行の問題や銀行セクターの混乱を受けて、どの程度の信用収縮が起こるのか、ということです。

銀行の信用収縮に対する考え

信用に相当な制約があるということは、実感としてわかってきたと思います。今週のPMI調査の先行きの数字を見ると、実に弱い数字になっています。失業保険も季節調整済みで、以前と比べるとかなり弱くなっています。空室率を見ても、下がってきているように見えます。ですから、現時点では景気後退の可能性は高まっており、FRBは非常に難しい決断を迫られていると思います。これは、経済が過熱していることに気づいた結果です。

今後のFRBへのアドバイス

まだ結論を出すには早すぎる。というのも、商業用不動産をはじめ、さまざまなものが軟化していることを示す兆候がますます増えているため、その判断を下すのは容易ではないからです。

FRBは今後の経済状況をどう見るべきか？

FRBは深刻な自己点検をする必要があると思います。FRBはモデルに依存し、確立され、制度化された一連の手続きに依存しています。こうした手続きは長い間、インフレを見誤らせ、シリコンバレー銀行や多くの銀行で起きていたことを見逃していました。それは、流動性の高い預金に伴う不連続性と、長期証券の市場価値の喪失に伴うものでした。

ですから、FRBはビジネスのやり方、経済環境の非連続性を考慮する方法、さらに重要なのは考慮しない方法について考える必要があると思うのです。もうひとつ、FRBが焦点を向ける必要があるのは、高金利、高デジタルというこの世界における将来の金融システムについての概念だと思います。

どのように金融システムを構成していくのか？というのも、多くの人が理解している以上に、私たちは、多くの家計が自分のお金でほとんど何も稼がないという意思に基づいて金融システムを構築してきたからです。

ChatGPT とその可能性、私たちはどこに向かっているのか？

私がより多く見ているのは、こういうことです。それは、コグニティブ・クラスのために来ていると思います。ChatGPT は、医師が行う、症状を聞いて診断することに取って代わり、看護師が行う、病院で患者が自分で起き上がるのを助けることを変える前に、医師が行うことを変えようとしています。

金融市場に出入りするトレーダーの仕事も、潜在的な顧客と関係を築く営業マンの仕事も、ChatGPT が変えることになるでしょう。書店にいる人たちの行動を変える前に、著者や編集者の行動を変えることになるのです。

ですから、これは私たちの社会における時間の経過とともに大きな変化をもたらすと思いますし、多くの土俵を平らにする絶好の機会だと思います。