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ウォーレン・バフェット、米国最大の不動産仲介業者ホームサービス・オブ・アメリカの売却を検討か

ウォーレン・バフェット、米国最大の不動産仲介業者ホームサービス・オブ・アメリカの売却を検討か

ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイは、不動産仲介子会社 HomeServices of America (ホームサービス・オブ・アメリカ) を大手不動産仲介会社 Compass (コンパス) に売却する方向で最終的な協議に入ったと、2025年3月13日に The Wall Street Journal が報じています。

売却の潜在的影響

バークシャー・ハサウェイのポートフォリオにおける戦略的転換か?ウォーレン・バフェット氏は、従来はバイ・アンド・ホールドの投資哲学で知られ、子会社の売却はほとんど行なってきませんでした。

ホームサービス・オブ・アメリカの売却の可能性は、バークシャーのポートフォリオを合理化し、より収益性の高い、あるいは中核となる事業分野に焦点を当てるという戦略的転換を示唆している可能性があります。

財務上の考慮事項

ホームサービス・オブ・アメリカは最近、エージェントの報酬慣行に関する法的請求の和解費用による大幅な損失など、財務上の課題に直面しています。

この売却により、バークシャーは収益性の低い部門から撤退できる可能性があり、一方でコンパスはこれらの事業を統合し、潜在的に活性化する機会を得ることになります。

規制当局の監視

両社とも市場で大きな存在感を示しているため、この買収提案は独占禁止法の規制当局の注目を集める可能性があります。当局は、この取引が不動産仲介市場における競争の低下や消費者利益の侵害につながらないよう評価するでしょう。

不動産業界で進む再編の流れ

このバークシャーがコンパスにホームサービス・オブ・アメリカを売却する方向で調整に入ったというニュースの少し前の、2025年3月10日に、大手住宅ローン貸付業者の Rocket Companies (ロケット・カンパニー) が国内ナンバーワンの不動産仲介サイトを運営する Redfin (レッドフィン) の買収を発表しています。

この直近の2つのニュースは、不動産業界で現在、業界再編が急速に進んでいることを示しています。

ロケット・カンパニーがレッドフィンを買収

大手住宅ローン貸付業者のロケット・カンパニーは、レッドフィンの全株式を17億5000万ドルで買収すると発表しました。

この戦略的動きは、レッドフィンの広範な物件リストとユーザーベースをロケットの住宅ローンサービスと統合し、よりシームレスな住宅購入体験を実現することを目的としています。

リソースを統合することで、ロケットは消費者のためのプロセスを合理化し、統一されたプラットフォーム内で物件検索や融資の確保ができるようにする計画です。

不動産業界への影響

コンパスによるホームサービス・オブ・アメリカの買収は、不動産仲介業界の2大企業を統合することになります。この統合により、コンパスの市場シェアが拡大し、業界内の競争力学、手数料体系、サービス提供に影響を与える可能性があります。

これらの動きは、不動産業界における総合的なサービス提供への広範なシフトを反映しています。

企業は、物件のリスト、仲介サービス、住宅ローン融資をひとつの組織で統合し、エンドツーエンドのソリューションを提供しようとする傾向がますます強まっています。

この傾向は、顧客体験の向上、業務効率の改善、市場力学の変化への適応を求める声によって後押しされています。不動産業界では統合の傾向が見られ、ロケットカンパニーやコンパスなどの大手企業が戦略的買収を通じてサービスの統合と市場での存在感の拡大を目指しています。