Extreme weather leading to increasingly harmful impacts, cost-of living crisis making everyday life harder, and escalating Mid East tensions having potential to broaden; it’s also world’s biggest election year ever with 4 billion people casting votes across 60 countries; this… pic.twitter.com/KaSNiam0mO
— Liz Ann Sonders (@LizAnnSonders) January 11, 2024
出典 : Visual Capitalist、WEF の Global Risks Report 2024
このグラフは、世界経済フォーラム(WEF)が調査した、2024年の世界的リスクのトップに関する報告書をグラフ化したものです。ますます有害な影響をもたらす異常気象、日常生活を困難にする生活費危機、拡大する可能性を秘めた中東の緊張激化。
また、60カ国で40億人が投票する世界最大の選挙の年でもあります。このグラフには、さまざまなリスクが、2024年に世界規模で重大な危機をもたらす可能性があることを示唆しています。以下は、短期的な影響の大きい順に、そのリスクをご紹介します。
1. 異常気象(66%)
最も高いリスクとして認識されており、厳しい天候がもたらす有害な影響について、リーダーたちが強い懸念を抱いていることを示唆している。
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2. AIが生成する誤報/偽情報(53%)
人工知能ツールによる偽情報の潜在的な拡散に対する懸念を反映しており、重大なリスクである。日本では、岸田首相のフェイク動画が X (旧 Twitter) で広まるなど、年明けの能登半島地震でもフェイク情報が蔓延しました。
メディアはソーシャルメディアに偽の情報を規制するように求めていますが、イーロン・マスクがそんなめんどくさいことをしないのは火を見るより明らかでしょう。
今後は益々、フェイク情報か否かを見定められるような判断力が試されるようになるでしょう。
3. 社会的/政治的分極化(46%)
社会内の分断と、その分断が不安定化につながる可能性に起因すると思われる。例えば、ある研究者は、米国は内戦に陥る可能性があることを示唆しています。
この傾向を理解するには、ピーター・ターチンの著書『End Times』やバーバラ・F・ウォルターの著書『アメリカは内戦に向かうのか』が参考になります。
4. 生活費の危機(42%)
物価の上昇により、世界中の人々の日常生活が困難になるリスクとして認識されている。庶民はインフレについて学び直し、インフレをヘッジしなければいけません。
5. サイバー攻撃(39%)
悪意のあるサイバー活動により、大きな混乱が生じる可能性を懸念している。生成AIの大ブームにより、サイバー攻撃が増加傾向にあることは、2023年に語られていました。
その影響で、2024年はサイバーセキュリティ銘柄がトレンドになることが述べられており、私はこの分野に投資しています。
6. 経済不況(33%)
世界経済の健全性と景気後退の可能性に対する懸念。アメリカ経済はソフトランディングに傾いていますが、世界経済の傾向としては、今のところ中国経済がハードランディングする可能性が高まっており、欧州経済なども悪いと思います。
7. 重要物資・資源のサプライチェーンの途絶(25%)
グローバルサプライチェーンの脆弱性とその途絶による影響についての認識。この傾向は、中東の紛争が拡大すると共に懸念材料となっており、イエメンの反政府組織であるフーシ派の商船への攻撃、略奪によって世界的な海運問題と商品インフレの潜在的なリスク再び懸念されています。
8. 武力紛争の勃発(25%)
特に中東における緊張の高まりを考えると、潜在的に拡大する可能性のあるリスク。
9. 重要インフラへの攻撃(19%)
社会機能に不可欠なインフラの脆弱性に対する懸念。
10. 食料のサプライチェーンの途絶(18%)
食糧サプライチェーンの重要な性質と、その途絶に伴うリスクを認識すること。
11. 検閲/言論の自由の侵食(16%)
言論の自由という基本的権利に対するリスク。
12. エネルギーのサプライチェーンの途絶(14%)
エネルギーは経済の要であり、そのサプライチェーンの混乱は重要なリスクである。
13. 公的債務の窮迫(14%)
公的債務の水準と危機の可能性に対する懸念。
14. 技能・労働力不足(13%)
経済成長を維持するための熟練労働力の確保に対する懸念。日本も既に深刻な労働力不足に直面しており、「2050年、土地があっても新築は無理 : 大工不足で工事ができない」というポストが話題になりました。
「2050年、土地があっても新築は無理」
大工不足で工事ができない。
この発想はなかったなぁ。当然建築費用は上昇して売り手市場になる。
大工とか技師になった方が良い時代かも。
AIに工事は担えないし🤔 https://t.co/toeMLfHmPz pic.twitter.com/HszcmiDQ6W— Henry (@HighWiz) January 14, 2024
15. 偶発的または意図的な原子力事故(12%)
偶発的か故意かを問わず、核事故のリスク。
16. 暴力的な市民ストライキと暴動(11%)
市民不安の可能性。
17. 生物製剤の放出(9%)
生物学的病原体の使用または偶発的な放出に対する懸念。AIと合成生物学の波がいかに世界を変貌させ、新たなリスクをもたらし、国家を脅かし、人類を破局やディストピアへと導くかについて、DeepMind などAI界をリードする起業家の一人であるムスタファ・スレイマン氏は著書の『The Coming Wave』で警告しています。
18. 金融セクター内の制度崩壊(7%)
金融機関が崩壊するリスク。
19. 住宅バブル崩壊(4%)
住宅市場の大幅な調整の可能性。
20. ハイテクバブル崩壊(4%)
テクノロジー・セクターが大きく低迷するリスク。
2024年は世界各地で選挙が行われる
また、60カ国で40億人が投票する世界最大の選挙の年であり、民主主義のプロセスとその結果に対する関心が高まっていることを表している。
リスク・カテゴリーは経済的リスク、地政学的リスク、社会的リスク、技術的リスク、環境的リスクを含んでいる。このグラフは、世界の安定と繁栄に対する差し迫ったリスクについて、世界のリーダーたちの考えをまとめたものである。