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ピーター・ディアマンディス、幹細胞療法やNK細胞療法により富の蓄積フェーズが劇的に延長される

ピーター・ディアマンディス、幹細胞療法やNK細胞療法により富の蓄積フェーズが劇的に延長される

イーロン・マスクの盟友であり、2020年に日本でも出版された話題の著書『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』などで日本でも注目されている、Xプライズ財団執行役会長 Peter H. Diamandis (ピーター・ディアマンディス) 氏が、幹細胞療法やNK(ナチュラルキラー)細胞療法を活用することで、富の蓄積フェーズが劇的に延長されることを力説しています。

このグラフは「長寿のビジネスケース」というタイトルで、人間の寿命を延ばすことで、資産を蓄積する期間を延長できることを示しています。

グラフは2つの資産蓄積のシナリオ、「通常の富の蓄積フェーズ(黄色の破線)」と延長された「富の蓄積フェーズ(緑の破線)」を比較しています。

通常の資産蓄積フェーズ(黄色の点線)

一般的な人生の軌道を示しており、収入は中年(40〜50歳頃)でピークを迎え、その後減少 していきます。60〜70歳頃には、引退により収入が大幅に減少します。

延長された資産蓄積フェーズ(緑の点線)

健康寿命が延びることで、70代・80代になっても働き続けられる可能性を示しています。緑の矢印は、人々が従来より長く経済に貢献し続けることを示唆しています。

幹細胞療法やNK細胞療法が健康寿命を延ばす鍵となる

ピーター・ディアマンディスは、幹細胞療法やNK細胞療法 が 健康寿命を延ばす鍵となり、人々が長く働けるようになると述べています。その結果、

・健康な期間が延びるほど、人々は長く働ける。
・長く働けるほど、資産を蓄積する期間も延びる。
・グローバルな規模で見れば、経済成長を加速させる可能性がある。

これは「長寿経済(Longevity Economy)」という概念に関連しており、医療技術の進歩によって加齢による衰えを抑えることで、退職年齢を大幅に延ばし、高齢者が経済の中心として活躍できる社会 を作るというアイデアです。

重要なポイント

– 長寿科学(幹細胞療法やNK細胞療法)は、健康な状態を長く維持することを目的としている。
– 健康寿命が延びることで、従来の退職年齢を超えて働き続けることが可能になる。
– より多くの人々が長く経済活動に関与することで、世界経済の成長を促進できる。
– 長寿バイオテクノロジーへの投資は、社会・経済のあり方を変える可能性がある。

つまり、長寿は単なる健康上のメリットではなく、経済全体を変革する要因になり得るということです。

注目すべきポイント

・市場の成長性
世界の高齢化が進む中、健康寿命を延ばす治療法への需要は急増しています。再生医療や免疫療法の分野は、今後数十年で巨大な市場 になる可能性があります。

・既存のアンメットニーズ(未解決の医療ニーズ)
加齢による疾患(神経変性疾患、心血管疾患、免疫機能低下など) は、現在の医療では根本的に解決できていない。幹細胞療法やNK細胞療法は、体の修復・再生を促進し、病気を予防または改善できる可能性がある。

・政府・民間投資の増加
米国、欧州、日本、中国などで再生医療の規制緩和や補助金 が進められており、多くの企業が参入。Amazon の創業者ジェフ・ベゾスも長寿バイオ企業(Altos Labs)に投資するなど、シリコンバレーでも注目されています。

・技術の進歩
幹細胞療法は、iPSC(誘導多能性幹細胞)の技術進展により、個別化医療が可能に。NK細胞療法は、がん治療だけでなく加齢に伴う免疫低下を防ぐ治療法としても期待されている。

注目のバイオ企業

自己免疫疾患における CAR NK 細胞の治療薬を開発するバイオ企業

・幹細胞療法関連
Vertex Pharmaceuticals (VRTX): 幹細胞を用いた糖尿病治療に注力。
Sana Biotechnology (SANA): 幹細胞ベースの治療法を開発。
Lineage Cell Therapeutics (LCTX): 神経変性疾患向けの幹細胞療法。
Fate Therapeutics (FATE): 幹細胞ベースの免疫療法。

・NK細胞療法関連
Fate Therapeutics (FATE): NK細胞療法のリーダー的存在。
Nkarta Therapeutics (NKTX): 次世代NK細胞療法を開発。
Artiva Biotherapeutics (ARTV): ナチュラルキラー(NK)細胞ベースの治療法の開発。
Gamida Cell ($GMDA): NK細胞療法の開発を進める企業

この分野は激ムズ

幹細胞・NK細胞療法はの分野は規制リスクが厳しく、承認までの期間が長い … 更に技術的リスクもあり、臨床試験の成功率が低いことで知られています。そのため臨床データ次第で株価が大きく変動します。

また多くの企業がこの分野に参入しており、競争リスクも激しく、技術の差別化が鍵となります。

幹細胞革命

ピーター・ディアマンディス氏は、幹細胞療法やNK(ナチュラルキラー)細胞療法などの医療分野や長寿における変革の可能性を一貫して強調している。

ディアマンディス氏は、現在の時代を「幹細胞革命」と表現し、幹細胞研究の進歩が健康寿命と慢性疾患の治療に大きな進歩をもたらす可能性があると強調している。

ディアマンディス氏は著書の中で、幹細胞関連の研究論文の急速な増加と、それに伴う市場の大幅な拡大(2022年の112億ドルから2030年には310億ドル以上)を指摘している。これらの観察結果から、この分野が技術革新と投資の大きな可能性を秘めた急成長分野であると見ていることがうかがえる。

NK細胞療法に関して、ディアマンディス氏は2018年に Celularity (CELU) を共同設立した。Celularity は、NK細胞療法を含む、産後の胎盤から採取した同種細胞および組織に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。

この関与は、NK細胞療法が医療に革命をもたらす可能性を大いに秘めているという彼の信念を示している。