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【SERA】Sera Prognostics「PreTRM®テスト」の可能性

【SERA】Sera Prognostics「PreTRM®検査」の可能性

Sera Prognostics (セラ・プログノスティクス / SERA) は、精密な妊娠ケアを通じて女性と赤ちゃんの生活の質の向上に専心する、健康診断のリーディングカンパニーです。

Sera の使命は、妊娠に関する重要な情報を早期に提供することで、母親と新生児の健康状態を改善し、医療費の削減につなげることです。Seraは、早産リスクやその他の妊娠合併症の早期予測に重点を置いた革新的な診断テストの強力なパイプラインを有しています。

Sera の精密医療「PreTRM®テスト」は、妊娠中の自然早産の個々のリスクを医師に報告し、リスクの高い女性に対して早期に積極的な介入を可能にします。

Sera Prognostics はユタ州ソルトレイクシティに本社を置いています。

PreTRM®テストとは?

Sera Prognostics の「PreTRM®テスト」は、無症候性の単胎妊娠における自然早産のリスクを予測する、血液ベースのバイオマーカー検査の先駆けとなるものです。

妊娠18週から20週の間に実施され、早産のリスクを示す血液中の特定のタンパク質を測定することで、医療従事者は新生児の予後を改善するための個別的な介入を実施することができます

臨床研究により、この検査の有効性が実証されています。AVERT PRETERM TRIAL では、「PreTRM®テスト」を妊婦のケアに導入したところ、新生児の重篤な疾患や死亡が18%減少し、新生児の入院期間が7日間短縮したことが報告されています。

「PreTRM®テスト」の課題

こうした有望な結果にもかかわらず、PreTRM® テストの普及には課題があります。2024年半ばの時点で、このテストの保険適用は依然として限定的であり、その利用しやすさやより広範な導入を妨げています。

Sera Prognostics は、保険適用を確保し、テストの普及と標準的な出生前ケアへの統合を目指して積極的に取り組んでいます。この課題への取り組みには、多角的なアプローチが必要となります。

・費用対効果の証明

綿密な経済分析により、「PreTRM®テスト」を妊婦検診に組み込むことで大幅なコスト削減が可能になることが示されています。

ある研究では、エビデンスに基づく治療とこのテストを組み合わせた場合、早産が20%減少し、総費用が5400万ドル減少することが示されました。

これらの調査結果は、保険会社がこのテストを補償対象とすることで、早産に関連する費用を削減できる可能性があることを示しています。

・雇用主および医療システムの関与

雇用主および医療提供者との連携により、「PreTRM®テスト」へのアクセスがより広範に拡大します。例えば、Fors Marsh は、妊産婦および新生児の健康増進への取り組みの一環として、このテストを従業員の出産手当パッケージに組み込みました。

このようなパートナーシップは、他の組織にとってのモデルとなり、総合的な出産前ケアの一環としてこのテストを提供することの価値を示すことができます。

・経済的支援プログラムの提供

高額な自己負担費用に直面する患者を支援するため、Sera Prognostics は患者支援プログラム、即時支払い割引、無利子支払いプランなどの経済的支援オプションを提供しています。

これらの取り組みは、保険適用に関係なくPreTRM®検査をより利用しやすくすることを目的としており、費用が不可欠な出生前ケアの障壁とならないようにしています。

このように費用対効果のエビデンスを組み合わせ、戦略的パートナーシップを促進し、患者中心の経済的支援プログラムを実施することで、「PreTRM®テスト」の保険適用範囲を広げるための道筋を効果的に進めることができます。

過去に成功を納めた出生前診断サービス

Sera Prognostics の「PreTRM®テスト」と同様の出生前診断サービスが大きな成功を収め、大手バイオ企業による買収を誘致した例はいくつかあります。

・Ariosa Diagnostics

Ariosa は、母親の血液中の遊離DNAを分析して胎児の染色体状態のリスクを評価する非侵襲的出生前検査(NIPT)サービスである「Harmony Prenatal Test」を開発しました。

その革新的なアプローチが評価され、2014年にロシュが Ariosa Diagnostics を買収し、出生前検査市場での存在感を高めました。

・Verinata Health

Verinata Healthは、染色体異常を検出する別のNIPTサービスである「verifi®出生前検査」を提供していました。

2013年には、DNAシーケンス技術の世界的リーダーである Illumina (イルミナ) が Verinata Health を買収し、生殖医療ソリューションのポートフォリオを拡大しました。

・Counsyl

Counsyl は、拡大キャリアスクリーニングと非侵襲的出生前スクリーニングを専門としていました。2018年、著名な分子診断企業である Myriad Genetics は、生殖医療における遺伝子検査サービスの拡大を目指し、Counsyl を3億7500万ドルで買収しました。

・Metabolomic Diagnostics

Metabolomic Diagnostics は、深刻な妊娠合併症である子癇前症の早期発見ソリューションの開発に重点的に取り組んできました。

2023年、Trinity Biotech は、特に子癇前症リスク評価のためのPrePsiaテストにより、母体健康関連のサービスを強化するために Metabolomic Diagnostics を買収した。

これらの例は、革新的な出生前診断サービスが臨床面および商業面での成功を収めているだけでなく、母体と胎児の健康に関するポートフォリオの拡大を目指す大手のヘルスケア企業やバイオテクノロジー企業にとって魅力的な買収ターゲットとなっているという傾向を示しています。

Ariosa Diagnostics「ハーモニー出生前検査」買収までのタイムライン

2010年に設立された Ariosa Diagnostics は、ダウン症候群(21トリソミー)を含む胎児の染色体異常のリスクを評価する非侵襲的出生前検査(NIPT)である「ハーモニー出生前検査」を開発しました。

この検査は、母親の血液中の遊離DNA(cfDNA)を分析するもので、妊娠10週目から実施することができます。

・2012年5月
Ariosa はラボラトリー・コーポレーション・オブ・アメリカ®・ホールディングス(LabCorp®)との提携により、米国およびカナダでハーモニー出生前検査を開始しました。

・2013年第3四半期
同社は事業を拡大し、この四半期だけで4万人以上の女性にハーモニー出生前検査を提供し、サービスを50か国以上に拡大しました。

・2014年12月
非侵襲的出生前検査市場での存在感を高めることを目的として、世界的なヘルスケア企業であるロシュがアリオサ・ダイアグノスティックスの買収を発表。

・2015年1月
買収が完了し、アリオサの革新的な出生前検査サービスがロシュの診断ポートフォリオに統合された。

この年表は、Ariosa Diagnostics の急速な発展とハーモニー出生前検査の拡大を浮き彫りにしており、創業から5年以内にロシュによる買収という結末を迎えました。

Sera の現在地

Ariosa の買収劇から、Sera の現在の位置を導き出すと、Sera は2025年2月現在、引き続き製品開発、資金確保、市場での存在感の拡大に重点的に取り組んでいます。Sera のこれまでのマイルストーンをざっくりまとめると、

・2008年
革新的な診断法を通じて妊産婦と新生児の健康を改善するという使命のもと、創業。

・2021年4月
「PreTRM®テスト」の商業化を支援するため、1億ドルのシリーズE資金調達ラウンドを完了。

・2021年7月
新規株式公開(IPO)を実施し、約7500万ドルを調達。

・2025年2月
事業基盤のさらなる拡大と追加研究のための資金調達として、5000万ドルの公募を発表。

というように、2025年2月10日に1株3.9ドルで公募をアナウンスしたばかりです。しかしこれが Sera の新たな章の幕開けとなるかもしれませんので、Sera という素晴らしいサービス「PreTRM®テスト」を展開するバイオ企業があることを認識しておきましょう。