Zoomy

インビボ細胞療法に関わるさまざまなバイオ企業

インビボ細胞療法(In Vivo Cell Therapy)とは、体外で細胞を操作して体内に戻すのではなく、体内で直接細胞を操作・治療する方法を指します。具体的には、患者の体内で治療に必要な細胞を直接増やしたり、遺伝子を操作したりするアプローチです。これは従来のエクスビボ(体外)細胞療法と対照的です。

インビボ細胞療法の特徴

患者の体外で細胞を取り出して操作する手間がなく、体内で直接細胞を増殖させたり、遺伝子を編集したりできます。治療に要する時間が短縮され、患者の負担も減ります。エクスビボ療法に比べて、製造プロセスや管理のコストが削減できる可能性があります。

主な技術

・遺伝子編集技術
CRISPRやTALENなどの遺伝子編集技術が使われ、体内で直接遺伝子を操作することが検討されています。

・ウイルスベクター
遺伝子を細胞内に導入するためのウイルスベクターが利用されます。これにより、遺伝子を体内の標的細胞に届け、治療効果を発揮します。

・LNP(リピッドナノ粒子)
mRNAワクチンでも使用されるリピッドナノ粒子は、遺伝物質や薬物を標的細胞に届ける技術として注目されています。

期待される治療領域

・がん治療
体内で免疫細胞を活性化させてがん細胞を攻撃する治療法が期待されています。

・遺伝性疾患
遺伝子変異によって引き起こされる疾患に対し、体内で遺伝子を修正することで治療を目指すアプローチが研究されています。

・自己免疫疾患
免疫系に関連する細胞を体内で制御し、自己免疫反応を抑える治療法も考えられています。

インビボ細胞療法に関わるさまざまな企業

この画像は、インビボ細胞療法に関わるさまざまな企業の概要を、その技術、適応症、開発段階をカバーしながら提供しています。以下に概要を示します。

・Myeloid Therapeutics
固形腫瘍を対象にmRNA細胞療法を使用しており、現在第1相試験段階にある。

・Interius BioTherapeutics
B細胞悪性腫瘍を対象にCAR遺伝子療法に重点的に取り組んでおり、こちらも第1相試験段階にある。

・Tessera Therapeutics
肝臓および肺がんを対象とした遺伝子書き込み技術の開発に取り組んでいる。現在は前臨床段階にある。

・Umoja Biopharma
VivoVecおよびRACR/CAR技術を活用し、固形がんを標的としている。前臨床/IND(新薬臨床試験開始)準備段階にある。

・Alaya.bio
がん適応(種類は非公開)のポリマーナノ粒子を使用。前臨床開発段階にある。

・Astellas/Kelonia
がんを対象としたIn Vivo Gene Placement system (iGPS) の研究開発段階。

・Capstan Therapeutics
がんや自己免疫疾患を対象としたmRNAを用いたターゲット化LNP (tLNP) に重点的に取り組んでいる。現在、前臨床段階。

・Ensoma
固形腫瘍を対象にウイルス様粒子送達法を使用、研究/治験開始申請段階。

・EXUMA Biotech
未開示のがん適応症を対象に GCAR プラットフォームを使用、前臨床開発段階。

これらの企業は、主に前臨床または初期臨床試験のさまざまな段階にあり、がんや自己免疫疾患に対する革新的な遺伝子および細胞療法アプローチに取り組んでいます。