カナダ・トロントを拠点に活動する GLP-1、糖尿病、肥満、腸内分泌系を研究している LTRI の臨床科学者 Daniel J Drucker 氏が、GLP-1 薬は減量だけでなく、代謝性肝疾患の病態生理をどのように減弱させるのか?そのメカニズムについて考察しています。
Beyond weight loss how might GLP-1 medicines attenuate the pathophysiology of metabolic liver disease? We considered the mechanisms here #Endocrinereviews https://t.co/FXHxXZ7c7j #MASH #obesity #T2D https://t.co/7cbaRutpRU pic.twitter.com/Ft6MqvaCgg
— Daniel J Drucker (@DanielJDrucker) November 1, 2024
GLP-1 薬は、代謝性肝疾患にも効果がある?
Daniel J Drucker 氏の記事では、当初は糖尿病と減量用に開発されたGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などの代謝性肝疾患にも効果がある可能性について論じています。
減量効果以外にGLP-1RAが肝臓の健康に影響を与える可能性がある主なメカニズムには、以下のようなものがあります。
肝脂肪症の減少
GLP-1RAsはインスリン感受性を改善することで肝臓の脂肪蓄積を減少させる可能性があり、これにより肝臓における脂肪生成(脂肪形成)を減少させることができます。
抗炎症作用
GLP-1RAs は免疫細胞を調節し、炎症性サイトカインの産生を減少させることで肝臓の炎症を減少させる可能性があります。
線維症の軽減
代謝パラメータの改善と炎症の軽減により、GLP-1RAs は、進行した NASH (MASH) における重要な問題である肝線維症の予防または軽減にも役立つ可能性があります。
脂質代謝の改善
これらの薬剤は、血中脂質の低下を助け、肝臓への脂肪酸の流入を減少させることができます。
記事では、GLP-1RA が代謝性肝疾患の治療に多面的なアプローチを提供し、代謝、炎症、線維化のプロセスに根本的に取り組む可能性について強調しています。
詳しくは「グルカゴン様ペプチド-1受容体に基づく代謝性肝疾患治療薬」の記事をご覧下さい。