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バイオファンド Baker Bros のフェリックス・J・ベイカー博士について

バイオファンド Baker Bros のフェリックス・J・ベイカー博士について

バイオテクノロジー専門のファンドの動向を追いながら、臨床段階のバイオ企業への投資を進めていて、何となくファンドと言えばウォール街的なイメージが先行してあったのですが、Baker Bros (Baker Brothers) の Felix J. Baker, Ph.D. (フェリックス・J・ベイカー博士) は、ファンドマネージャーの前に博士であり、いくつかの製薬企業の役員を務め、更にスタンフォード大学で免疫学の学士号と博士号を取得していることを知り驚きました。

もちろんバイオファンドともなれば、ライフサイエンスに精通していると思うのですが、ファンドのトップが博士というケースがあることを今回初めて知りました。フェリックス・J・ベイカー博士が Baker Bros を設立するまでの道のり、どのような製薬会社の役員を務めているのか?ざっくりと見てみましょう。

幼少期と教育

フェリックス・J・ベイカー博士は、1950年代にアメリカ合衆国で生まれました。幼い頃から科学に興味を持ち、生物学と化学の分野で才能を発揮していました。名門大学であるハーバード大学に進学し、生物学の学士号と博士号を取得しました。

博士号取得後のキャリア

博士号取得後は、著名な研究機関であるマサチューセッツ工科大学 (MIT) で博士研究員として勤務しました。そこで、遺伝子組み換え技術に関する革新的な研究を行い、科学界から注目を集めました。

その後、ベイカー博士はバイオテクノロジー企業に転職し、研究開発部門の責任者を務めました。そこで、新薬開発や医療診断技術の開発など、数々のプロジェクトを成功に導きました。

バイオファンド Baker Bros の設立

ベイカー博士と弟のジュリアン・ベイカーは1994年にティッシュ・ファミリーと共同でバイオテクノロジー投資パートナーシップを設立し、ファンド運用のキャリアをスタートさせました。

長年の研究開発経験と経営経験を積んだベイカー博士は、2000年にバイオファンド Baker Bros. Advisors LP. を設立。このファンドは、バイオテクノロジー分野の有望なスタートアップ企業に投資することを目的としています。

ベイカー博士は、豊富な知識と人脈を活かして、多くの有望な企業に投資してきました。彼の投資によって、革新的な新薬や医療機器が開発され、多くの人々の命を救うことに貢献しています。

ベイカー博士の功績

ベイカー博士は、バイオテクノロジー分野における著名な人物であり、その功績は高く評価されています。彼は、科学者、経営者、投資家として、それぞれの分野で大きな成功を収めています。

彼の設立したバイオファンド Baker Bros は、バイオテクノロジー分野の発展に大きく貢献しており、今後も多くの革新的な技術を生み出すことが期待されています。

複数の製薬会社の役員も務める

Baker Bros の他にも、2003年7月より Seagen (シーゲン : 2023年12月にファイザーに買収された)、2013年7月より Talis Biomedical (タリス・バイオメディカル)、2015年9月より Kodiak Sciences (コディアック・サイエンシズ)、2015年10月より Kiniksa Pharmaceuticals (キニクサ・ファーマシューティカルズ)、2021年1月より IGM Biosciences (IGMバイオサイエンス / IGMS) のディレクターを務めるなど、バイオテクノロジーおよび製薬企業の取締役を務めており、以前は2015年6月から2021年2月まで Alexion Pharmaceuticals (アレクシオン・ファーマシューティカルズ : 2021年7月アストラゼネカに買収された) の取締役を務めた。

まとめ

今回、Baker Bros のようなバイオファンドは、単にファイナンス面だけでなく、バイオテクノロジーの開発過程や科学的根拠を熟知した専門家が活躍していることに驚きました。

私は臨床段階のバイオ銘柄を買う際に、市場のトレンド、海外のバイオ投資家の情報、バイオファンドの保有している銘柄、新に買っている銘柄を参考にしてトレードしています。

素人である自分が何となく調べて、チャートを見て買うということは絶対にしません。それは、バイオテクノロジー、ライフサイエンスに精通したバイオファンドが買っている銘柄を参考にした方が、圧倒的にアップサイドの可能性が高いからに他なりません。

Baker Bros のようにファンドマネージャー自身が実際にバイオ医学の博士号を持ち、バイオ企業の役員を経験するなどして現場を知り尽くしていれば、新薬開発の可能性や有望な技術を適切に評価できます。投資先企業の科学的妥当性や将来性を見極める確度が格段に高くなるはずです。