Microsoft (マイクロソフト)、Planet (プラネット)、The Nature Conservancy (ネイチャー・コンサーバンシー) の3社が、世界の太陽光・風力エネルギー源のアトラス「Global Renewables Watch (グローバル・リニューアブル・ウォッチ)」を開始。AIと衛星データを活用したこのツールは、ユーザーがクリーンエネルギーへの移行を評価できるようにすることを目的としています。

Together w/ @Microsoft & @nature_org, we're proud to unveil Global Renewables Watch, an atlas of the world's solar & wind energy sources. Powered by AI & satellite data, this tool aims to allow users to evaluate their clean energy transition progress. https://t.co/BDFE1l66Ek pic.twitter.com/NsMcIOnTie

— Planet (@planet) September 22, 2022

IT企業の Microsoft (マイクロソフト)、観測衛星の Planet Labs (プラネット・ラボ / PL)、自然保護団体の The Nature Conservancy (ネイチャー・コンサーバンシー) は2022年9月22日、人工知能（AI）と衛星画像を使用して地球上のすべての実用規模の太陽光と風力の設備をマッピングして測定する世界初の生きたアトラス、グローバル・リニューアブルズ・ウォッチ (GRW) を開始し、ユーザーがクリーンエネルギー移行進捗の評価や時系列でのトレンド追跡ができるよう計画すると発表した。

ドイツとインドの太陽光発電と風力発電、およびブラジルとエジプトの太陽光発電の初期マッピングが完了し、GRW は、生産の進捗と開発傾向に関する国ごとの洞察を備えた、一般に利用可能な再生可能エネルギーのアトラスとして機能するよう構築されています。

2018年までさかのぼる衛星データへのアクセスと、年2回のアトラス更新計画により、GRWは各国の再生可能エネルギー容量を示し、その容量の理解を助け、再生可能エネルギーの設置が景観に与える潜在的影響に関するパターンを、瞬間的ではなく時間的に認識することを目的としています。

最初の完全なグローバルインベントリーは、2023年初頭までに完成する予定で、その時点で科学的・技術的な検証を受けることになります。この共同プログラムでは、Microsoft がAIとプラットフォーム技術を提供し、Planet が基盤となる衛星画像を提供し、The Nature Conservancy が出力を分析するための専門知識を重ねて提供します。

今回の発表は、ニューヨーク市が第77回国連総会の開幕と第14回 Climate Week NYC (クライメート・ウィーク・ニューヨーク) の開催に伴い、国際的な官民のリーダーを迎えていることを受けて行われました。

The Nature Conservancy のCEO、Jennifer Morris (ジェニファー・モリス) 氏は次のように述べています。

今年の Climate Week NYC のテーマは「成し遂げる」であり、そのためには、誓約から進展へと移行する必要があります。Microsoft、The Nature Conservancy、Planet の協力で実現したグローバル・リニューアブル・ウォッチは、まさに私たちが必要としている行動です。これは、研究者や政策立案者が現在の能力と格差を理解し、意思決定者が責任を持って自然に優しい方法で、切望されている再生可能エネルギー資源を拡大できるようにするための一般公開されたリソースとなります。

現在、世界各地で行われている太陽光発電や風力発電のプロジェクトを追跡する方法は、非常に複雑で、無数の管轄区域にまたがっており、データの多くは民間組織によって保有されています。GRW は、高解像度の衛星画像とAIを組み合わせ、動的に更新される時系列データとして提供することを目的としています。

Planet の共同創業者兼CEOである Will Marshall (ウィル・マーシャル) は以下のように述べています。

パートナー各社は、このイニシアチブに独自の知識と付加価値をもたらします。Microsoft のAIとクラウドコンピューティングの能力、Planet の包括的で高解像度の衛星画像、そして The Nature Conservancy の深い専門知識を組み合わせることで、再生可能エネルギーデータの可視化とアクセスの民主化のための強力なプラットフォームを構築したいと考えています。

パートナーは、さらに多くの国の地図を作成し、2022年11月6日から18日までエジプトのシャルムエルシェイクで開催される国連気候変動会議（COP27）に向けて、世界のクリーンエネルギー移行を管理する立場にある人々の間でこのツールの認知度を高めることを目指します。

Microsoft の副社長兼チーフデータサイエンティストであるフアン・ラヴィスタ・フェレスは、以下のように述べている。

世界は、責任ある環境に関する決定を行うためにデータへのアクセスを必要としており、グローバル自然エネルギーウォッチは、パリ気候協定の目標達成に向けた人類の進捗状況を理解し、すべての人が安価で信頼できる持続可能でモダンなエネルギーを入手できるようにするという国連の持続可能な開発目標（SDG）7を達成するための重要なツールとして機能するでしょう。

GRWは、そのデータと調査結果を GlobalRenewablesWatch.org で公開し、より広範な分析に統合できるようにする予定です。