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投資初心者が相場感、マーケットタイミングを学ぶには?

投資初心者が相場感、マーケットタイミングを学ぶには?

今回は投資初心者が「相場観」や「マーケットタイミング」を学ぶ方法についてご紹介します。私自身も長らくインデックス投資を続けており、2020年のコロナショックによる金融相場で個別株投資を開始しました。

個別株投資の始め方

先ずは身銭を切る

身銭を切る

まず基本として相場を学ぶには、身銭を切って実際に自分の資金を株式市場にベットし、損をして失敗したり、利益が出たりを繰り返し、とにかく失敗から多くのことを学ぶことが大切です。かの有名なナシーム・ニコラス・タレブ氏の著書『身銭を切れ』のサブタイトルは、「リスクを生きる人だけが知っている人生の本質」です。

私の知り合いに、如何なる時もその時々のリスクをあげて、今は戦争の危機があるから株式投資は危ない … プーチンが核兵器を使うかもしれないから危ない … というように、投資をしない理由をあげて「〇〇リスクがあって今は投資しない方が良い」という人がいます。

こういう人は残念ながら一生投資はできないでしょう。リスクを取れないのであれば投資をすることはできません。投資家というのは、そのリスクを如何にヘッジするか?リスクを読んで投資をするからこそ利益を上げていけるのです。

失敗から多くを学ぶ

私も2020年の金融相場で個別株投資を開始し、「長期投資だ!」と威勢を切ってロングした宇宙SPAC株、ドローンのSPAC株、スポーツベッティングのSPAC株は、2023年現在どれもマイナスで、ASTRA という宇宙SPAC株に限っては、株価が 10/1 になって1ドルを切ったタイミングで損切りしました。

このように身を持って痛い経験をすることで何かダメだったのか?この手痛い経験から何を学んだのか?によって投資家として成長することができます。逆に、私のように2020年の金融相場で個別株投資を始めて、ビギナーズラックで結構儲けた!という投資家もいます。しかしビギナーズラックで儲けた、成功した投資家程再現性がありませんので、その儲けをそれ以降の逆金融相場などで溶かしています。

何が言いたいか?というと、失敗は早い方が良いということです。そしてその失敗から学び、次に活かすことで個人投資家として成長していくことができます。運やビギナーズラックだけで最初のうち儲けてしまうと、相場では再現性がないため、儲けを溶かしてしまったり、最悪の場合は相場から退場となってしまいます。

相場を理解できるようになるには?

相場をある程度理解できるようになるには、以下のようなことを学び理解する必要があります。

・相場と経済サイクル
・株式と金利の関係
・マクロ経済
・エネルギー
・地政学
・市場原理
・需給と供給
・FRBの金融政策
・変数

株式相場には大きく分けて4つの相場のサイクル「業績相場」、「金融相場」、「逆金融相場」、「逆業績相場」があります。今の相場はどのサイクルで、相場の何合目にいるのか?をまず理解することが大切です。

相場のサイクルを知るには、経済のサイクルも知る必要があります。逆も然りで、例えば今景気が良いのか?悪いのか?これから悪くなるのか?など。

相場のサイクルを知るには、株式と金利の関係を知ることも重要です。なぜなら、株式の価格を駆動するのは金利が7割、業績が3割と言われているからです。金利がなぜ上下するのか?を知るには、FRB (中央銀行) の存在と金融政策を学ぶ必要があります。

このように上記にあげた項目は、密接に関わり合っており、相場を学ぶには複眼的に様々な視点思考が求められます。まずは相場に必要な知識を身に付け、とにかく実際に様々な相場や経済のサイクルを身を持って体感しながらマーケットを観察したりトレードすることで経験を積むことに尽きると思います。

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投資を学ぶ近道

上記のようなことを投資初心者が一人で学ぶには、かなりの時間や理解力、洞察が求められます。それよりも効率的に投資を学ぶ近道は、プロの投資家に「今の相場がどうなっているのか?」を解説してもらいながら、学んでいく方法です。

私もこの方法で、金利の読み方、相場のサイクル、経済のサイクル、FRBの金融政策、為替、新興国、フロンティア市場など、様々なことを学びました。最初はプロの投資家が何を言っているのか?専門用語なども分かりませんでしたが、相場経験が30年以上もあるプロの投資家による相場のナビゲーションのお陰で、一人で相場を学んでいたら到底辿り着けないような示唆に富んだ学びを得ています。

間違っても投資系の YouTuber や怪しいインフルエンサーに学びを得るのはやめましょう。きちんとした投資ストラテジー (哲学) を持った投資家から学ぶようにしましょう。

Twitter で投資ストラテジーは学べない

マーケットの右も左も分からない個人投資家が、SNSなどで言及されている銘柄を追うのは中々リスキーなことです。これが成功したが、2020年の金融相場でした。この年は、あまりにも変な銘柄さえ掴まなければ、Twitter などで話題になっている銘柄を買うことで大きな利益を得ることができました。

といっても上昇局面でちゃんと利確できた人は、です。2022年の大きなベア相場では、Twitter や SNS で言及されているような銘柄の株価は半分以下や、銘柄によっては 10/1 以下になった銘柄も数知れません。

ビギナーズラックで最初から大きな利益を得てしまった人や、学びを得ずに雰囲気投資家で過ごしてしまうと、必ず相場が変わる局面で損をしてしまったり、最悪相場から退場になってしまうので、ボクサーのように常にファイティングポーズを取り学ぶ姿勢を崩さないで下さい。

著名なプロの投資家に学ぶ

いよいよ本題です。投資初心者、これから個別株の投資を始めたいという方に向けて、相場観を学ぶ著名なプロの投資家をご紹介します。私の場合は、じっちゃまこと広瀬隆雄さんの YouTube ライブ (現在はおむすびチャンネル) を見て相場を張る姿勢、丁寧な相場感、トレード手法、投資ストラテジーを学びました。その意味では私も所謂じっちゃまチルドレンの一人です。

広瀬さんは、2023年現在、Twitter も YouTube も辞めてしまったので、広瀬さんの投資ストラテジーを学ぶには、おむすびチャンネルに入会する必要があります。このおむすびチャンネルも、2023年現在、紹介制になっているため、既におむすびチャンネルに入会している人の紹介がないと入会できません。

他にも広瀬さんは、note、Substack、SBI証券のコラム、楽天証券の YouTube セミナー、ラジオ『北野誠のトコトン投資やりまっせ』などでレギュラーコーナーなどを持っていますので、そこで広瀬さんの相場に関する視点を学ぶことは可能です。

じっちゃまのことを誤解しているステレオタイプの人もいるようですが、日本人の投資家でここまで手取り足取り初心者に合わせて投資、相場を教えてくれるプロの投資家はいないと思います。仮にいたとしても、高いセミナー料金を取られたり、果たしてそれが使い物になるかは疑わしいです。

何より広瀬さんは早くに日本を飛び出し、今はフロリダを拠点に活動されています。だからこそ30年以上のキャリアを持つアメリカ仕込みの米国株式投資を、きちんと丁寧に教えてくれる人は他にいないと思います。

日本人にありがちな、おすすめできない投資の学び方

以前NHKスペシャルで放送されていて知ったのですが、日本人によくありそうな投資の学び方として、投資を学ぶために数十万?の教材を買わされ、投資スクールやセミナーに通って投資を学ぶ … というようなスタイルがあるようです。

投資の勉強はできると思いますが、問題はそれで相場に勝てるの?と聞きたいですが、株式投資はそんなに甘いものではないと思います。個人的にはもっと近道はないか?抜け道はないか?を探すべきだと思います。

私がプロの投資家に学びを得たのは、自分の愚にも付かない相場観よりも、プロの投資家として30年以上の経験を持つ投資家の相場観を参考にした方が勝率が高いからです。もちろん、どのプロの投資家から学びを得るか?は非常に重要です。

例えば2023年現在、広瀬さんから投資ストラテジーを学びたいと思っても、上記のことから以前よりも狭き門となっています。広瀬さんのフォロワーの中にも、自分の意見が一切なく、広瀬さんの意見に100%イナゴしている信者のような人もいますが、それもあまりおすすめできません。

そういう人に限って、ポジションが上手くいかなかったり、損をした時に人のせいにします。残念ながらあなたの立てたポジションは、人の相場観を参考にしました。その時点で再現性がなく、あなたの責任です。人のせいにせず、その失敗を毎回次に活かすようにしましょう。

常に数人、投資の上手いプロの動向を追い、どのように相場に向き合っているのか?を観察しましょう。例えば、広瀬さんとミネルヴィニ氏をフォローし、2人の相場感を参考にしてトレードするのも良いと思います。

相場の大局観を学ぶ

お待たせしました、ようやく本題です。投資初心者に向けて、相場の大局観を学ぶことのできるプロの投資家をご紹介します。まずは以下で紹介するプロの投資家、伝説の投資家、博士、ファンドをフォローして下さい。

・じっちゃまこと広瀬隆雄さん

上記でも話たように、広瀬さんのライブ配信やアーカイブ動画を見るには、おむすびチャンネルに入会するしかありません。しかもおむすびチャンネルは2023年現在紹介制ですので、おむすびチャンネル会員の紹介がないと入会できません。じっちゃまが過去に更新していたブログ「Market Hack」は学びの宝庫ですのでチェックしておきましょう。

・Mark Minervini (マーク・ミネルヴィニ) 氏

伝説の投資家マーク・ミネルヴィニ氏です。マーク・ミネルヴィニ氏も自身のコミュニティ「ミネルヴィニ・プライベート・アクセス」を運営していますが、月額999ドルと日本円で10万円以上しますので、初心者には金額的に厳しいと思います。

しかしマーク・ミネルヴィニ氏の Twitter をフォローすれば、時差はあるものの、彼が買っているか?強気なのか?弱気なのか?を知ることができますので、確立された一つの指標としては機能しますので必ずフォローして下さい。

マーク・ミネルヴィニ氏のツイートや、投資ストラテジーを日本語で逐一紹介しています Twitter アカウントもありますので、合わせてフォローすると良いでしょう。

春山昇華さんの Facebook ページを参考にする

春山昇華さんの Facebook ページ、春山さんが過去に更新されていたブログ「豊健活人生:春山昇華」は、学びの宝庫だと思います。春山さんの Facebook ページでは、その時々の相場について言及されていますので参考にすると良いと思います。

専門的な一般の投資家をフォローする

プロの投資家以外でも、様々な専門分野に詳しい一般の投資家さんがおられます。例えば、原油のプロフェッショナル、コブラさんや、マーケット全体について CNBC の著名な投資家のインタビューやコメントを紹介してくれる、株式投資が趣味のおばあちゃんなど、原油銘柄をトレードする際はこの人の意見や参考にしよう、臨床段階のバイオ株をトレードする際はこの人の監視銘柄を参考にしよう、など、専門分野に合わせて自分よりも突出して詳しくてセンスの良い一般の投資家を見つけて学びを得ましょう。

Twitter にはノイズとなる投資家も山程いると思いますが、有益な情報を発信されている非常に勉強になる個人投資家さんもおりますので、フォローして学ぶことをおすすめします。

著名なファンドの四半期レーターを読む

個人投資家には、著名なヘッジファンド、経済学者による四半期レターを読むことをおすすめします。読んで相場の雰囲気やトレンド、相場感を学びましょう。いやいや英語が読めないよ!という方は、DeepL 翻訳に課金して DeepL Pro を使用して下さい。

DeepL Pro だと無制限で英語の翻訳ができ、英語のPDF を日本語に翻訳することができます。間違っても Google 翻訳は使わないで下さい。精度が全く違います。

ハワード・マークスのインサイトを読む

著名な投資家ハワードマークス率いる Oaktree Capital (オークツリー・キャピタル) のインサイトが大変勉強になります。

インサイトのサブスクリプション (無料) に登録すると、メールで四半期レター、インサイトをお知らせしてくれるので便利です。ハワードマークスの著書『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』、『市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学』に感銘を受けた投資家は必ず通読するようにしましょう。

レイシー・ハントの投資レーター

個人的に非常に勉強になるのが、Lacy Hunt (レイシー・ハント) 博士が副社長を務める Hoisington の四半期の投資レーターです。無料で年に4回PDFでリリースされるので、四半期ごとに相場感について、相場の流れ、サイクルについての洞察を得ましょう。

レイシー・ハント博士は、既に廃番となっている名著『アメリカ金融・景気指標の読み方―投資家のための手引書』でも知られている通り、投資を学ぶ人にとっては最もお手本となるような経済の読み方を教えてくれます。

相場感を養う流れ

プロの投資家をフォローしたら、その人がアウトプットする全てのニュースやツイートに目を通して下さい。すると分からないワードや事例などが沢山出てくるので、それを一つ一つ勉強して下さい。

例えば株式投資をするには「金利」を知らないと相場は張ることはできませんので、金利の本を読んで学習します。金利の本であれば、堀井正孝著『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』がおすすめです。

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このように、投資を行う、相場張る上で欠かせない知識、分からないことをどんどん見つけ出しそれを学習して潰していきます。するとプロの投資家が何を言っているのか?が分かってきます。つまり流れとしては以下です。

1. プロの投資家が何を言っているのか?をまず理解できるようにする

プロの投資家のライブ配信、記事、ツイートなどを必ず目を通して、何を言っているのか分からないことや知らないワードをメモしておく。

2. ネット検索、本を読むなどして足りない知識をどんどん埋めていく作業

ネット検索だけで知ったようになる気はダメで、とにかく関連する本を Amazon などで見つけて沢山読んで下さい。

3. 少額から相場を張ってみる

プロの投資家が何を言っているのか?今金利が〇〇だから、業績が〇〇だから、この後ラリーがあるから … など、プロの投資家の相場観が理解できてきたら、まずは少額からその相場に合った銘柄やセクターの株を買って、実際にトレードしてみる。

この 1〜3 の流れを何回も繰り返すうちに、段々と理解が進むと思います。相場は生き物ですので、時間の経過と共に季節が変わるように相場も常に移り変わっています。そのような相場の変化もしっかりと観察し、あなたの相場経験の経験値を積み上げて下さい。

日々の相場を観察しよう

著名なプロの投資家に学ぶだけでは、相場感もマーケットタイミングも鍛えられません。毎日地味に相場を観察しましょう。私も2020年に個別株投資を始めて以来、毎日相場を観察しています。

今相場は強気 (ブル) なのか?弱気 (ベア) なのか?FRBの金融政策は今どの段階まで来ているのか?金利は下なのか?上なのか?為替はどうか?原油は上なのか?下なのか?経済は好景気なのか?不景気なのか? …

トレンドになっているセクターは?トレンドの銘柄は?など、相場観察に必要な要素を学びながら、無数にある個別銘柄、ETFなどを研究していきましょう。

マーケット、相場の先行きをどのように読めば良いのでしょうか?投資を始めたばかりの初心者にとっては非常に難しい問題です。しかしマーケットの大まかな流れを把握または予想できていないと、ポジションを取ったりトレードすることはこれまた難しいと思います。

そういう時こそ相場、マーケットの先人達の知識や見通し、相場の大局観を参考に自分なりにインプットを開始して下さい。

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