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臨床段階のバイオ投資はカイジゲーム (確率論) の世界だった …

臨床段階のバイオ投資はカイジゲーム (確率) の世界だった ...

IDEA Pharma の CEO マイク・リア氏が、臨床段階のパイプラインが臨床フェーズを重ねるごとに無理ゲーになっていることを、サンキーダイアグラムで分かりやすく解説していますのご紹介します。

このサンキーダイアグラムは、医薬品開発パイプラインを示し、各臨床試験段階での脱落率を示しています。正に臨床フェーズとは、「カイジのゲーム」のようなものと言えます。

フェーズが進むごとに生存率(成功確率)がどんどん低くなり、最終的にFDA承認を勝ち取るのはほんの一握りの薬だけです。

カイジ的な臨床試験は確率論の世界

第1相 / フェーズ1 (100%)

100%の医薬品がここから始まる。カイジで例えると「鉄骨渡り」のスタート地点。みんな挑戦するが、ここはまだ比較的安全。ここでの課題は「安全性の確認」。石橋でも叩いてみる?

第2相 / フェーズ2 (50%)

50%の医薬品がこの段階に進むが、50%は失敗する。カイジで例えると「限定ジャンケン」のフェーズ。勝ち進むには運と戦略(=薬の有効性)が必要。半数はここで消える …

第3相 / フェーズ3 (30%)

30%の薬剤がこの段階に進む。つまり、第2相から40%が失敗していることになる。カイジで例えると「Eカード」フェーズ。相手(=規制当局)を騙すことはできない。厳しい試験に合格しないと次に進めない …

FDAに申請 (18%)

18%がこの段階に達する。第3相から40%が失敗していることになる。カイジで例えると「沼」フェーズ。クリア目前にして最後の落とし穴が待っている。多くの薬がここで沈む …

FDA承認 (6.7%)

当初の薬剤のうち承認されるのはわずか6.7%である。カイジで例えると「地下チンチロ」からの脱出成功!一握りの薬だけが市場に出ることを許されるが、ここからが本当の戦い(商業的成功)が始まる。

開発中止 (93.3% !?)

93.3%もの医薬品が、開発プロセスのどこかの段階で失敗に終わっている。カイジで例えると、これはまさに「鉄骨から落ちた人々」の群れのようなもの …

「無理ゲー」を攻略するには?

この記事を書いている著者もこの無理ゲー、沼ゲー、カイジゲームに参加している訳だが、これまでに何度も臨床失敗、臨床中止、上場廃止というクソパイプライン、クソ経営者、クソイナゴ銘柄に悩まされてきた。

バイオ投資におけるテールイベントについて

その度にこの「無理ゲー」に投資する意味を模索し、資金を失ってきた … 臨床バイオ投資というは、確率の世界であり、そこに科学が介入する複雑性を持ち合わせている。

2025年バイオファンドによる株式取得レポート

そこで私が臨床バイオ投資で採用しているアプローチが主要なバイオファンドのポートフォリオや購入したタイミング、保有率などを監視し、その行間を読みトレードしている。

しかしその行間を読み過ぎて爆死することもあり、非常に難しいと感じているが、まだゲームを継続中だ。一つ臨床バイオ投資で確実なことがある。

バイオテクノロジー株のライフサイクル投資について

それは感情を全て捨て、各臨床バイオ銘柄のカタリストに “だけ” を目を向け、耳を傾け、そのカタリストに向けて理想買い、現実売りをキメることである。

しかし欲深き人間が考えることは、まだ上がる!この銘柄は買収される!!という邪な気持ちに利確できないことにある。この感情さえキルし、カタリストのみに焦点を当てることで、この無理ゲーを攻略できるかも … しれない。