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【BKSY】BlackSky (ブラックスカイ) について

宇宙のビジネスと政策についてなど、宇宙産業のニュースレターをサブスクライブする Payload (ペイロード) の共同設立者としても知られる、Ari Lewis (アリ・ルイス) さんによる、BlackSky (ブラックスカイ) のスレッドを翻訳してご紹介します。

BlackSky (ブラックスカイ) とは?

BlackSky は、リアルタイムの地理空間情報を提供するリーディングカンパニーです。独自の衛星コンステレーションと世界の新興センサーネットワークを活用し、顧客にとって最も重要な世界中の活動や場所を監視しています。BlackSky のオンデマンド衛星群、およびパートナーの衛星群に搭載されたセンサーは、地球上の目標地点を様々な条件下で1日に何度も撮影することが可能です。

BlackSky の衛星やその他のソースから収集されたデータは、BlackSky 独自のデータレイクとプラットフォームに格納されます。機械学習や人工知能を含む最先端のコンピュータ技術により、BlackSky の顧客はユニークで商業的に価値のあるインサイトを導き出し、いち早く知ることができる優位性を提供することができるのです。

BlackSky のリアルタイム地理空間情報製品群は、ノートパソコンとインターネット接続さえあれば、顧客のシステムに組み込むことも、BlackSky の Spectra プラットフォームを通じて利用することも可能です。また、さまざまな価格設定と利用方法のオプションが用意されているため、顧客は初めて知る経験をカスタマイズすることができます。

また BlackSky は、米国陸軍、国家偵察局、その他様々な政府機関や商業顧客に地理空間イメージングと分析を提供しています。2021年の9月に上場し、2億8300万ドルを調達し、現在は11億5000万ドルと評価されています。

Spaceflight Industries の子会社として2013年にスタート

BlackSky は、Spaceflight Industries社の子会社として2013年にスタートしました。Spaceflight社は、RRE Ventures やピーター・ティールが立ち上げた投資ファンドである Mithril Capital などの投資家から、2億4300万ドル以上のベンチャー資金を調達しました。

Spaceflight社はもともと、2009年に打ち上げライドシェアリング事業としてスタートしました。2020年にその事業を売却し、BlackSky に注力している。また、Thales Alenia Space 社との合弁会社「LeoStella」を持っています。LeoStella は SmallSat のメーカーで、顧客には BlackSky も含まれる。

2023年までに23機の小型衛星を軌道に乗せる

BlackSky は2016年9月に最初の衛星を打ち上げました。現在、同社は6機の衛星を軌道に乗せており、年内にさらに8機の衛星を軌道に乗せる予定だ。目標は2023年までに23機の小型衛星。

BlackSky は、すべての衛星を LeoStella社を通じて製造しています。その理由は、JVパートナーであるThales Alenia Space 社が、ヨーロッパ最大の衛星メーカーだからです。つまり、衛星の製造に関しては、最高のパートナーと提携しているのです。

BlackSky の優位性

BlackSky の優位性は、コストとソフトウェアにあります。衛星は、Maxar のようなレガシーの衛星画像会社よりも「安く」、配信時間は~90分です。AI/ML を使った BlackSky のソフトウェアは、画像を取り込み、顧客のための実用的なデータに変えることができる。

確かに BlackSky は Maxar よりも「安い」のですが、衛星の性能は劣ります。Maxar は BlackSky よりも高解像度の画像を撮影します。しかし、BlackSky の再訪率(同じ場所を撮影する能力)は、Maxar よりも高いのです。

売上げ成長

BlackSky は、21年に4,000万ドルの収益を計画しています。22年には1億1,400万ドルの収益を見込んでおり、「2022年までの収益のうち、90%は既存契約の拡大とフォローオンによるもの」としている。言い換えれば、顧客は彼らを気に入り、彼らとのビジネスを増やしたいと考えている。

顧客

BlackSky は、顧客層の多様化も進めている。2020年には、同社の収益の100%(2,200万ドル)が政府機関の顧客からのものでした。2021年には、同社の顧客の大半は商業業界からのものであった。彼らは、収益の何%が商業産業から来ているのかを明らかにしていない。

– 政府機関では、主要施設や軍事活動の監視に使用されています。
– 100億ドル規模の建設会社では、高速道路建設などの建設プロジェクトの監視に使用。
– 20億ドル規模の環境関連企業では、過剰な木材伐採の監視に使用

BlackSky の顧客検証によると、低解像度の画像と AI/ML を活用して実用的なインテリジェンスを提供するソフトウェアは、商業および政府機関の両方の顧客に求められています。

競業他社

この分野は非常に競争が激しいです。Planet は軌道上に190機の衛星があり、データ面で大きなアドバンテージを持っています。Satellogic 社も新興の競合企業で、彼らの足元に迫っています。

Maxar や Airbus のような従来の画像処理企業は、より高解像度の画像を提供する優れたハードウェアを持っています衛星データは商品ではありません。

一概に Maxar が BlackSky より優れているとは言えません。それぞれの会社には長所と短所があります。

BlackSky はハードウェア会社

BlackSky は、2025年までに5億4600万ドルの収益を見込んでいます。タレス・アレニア・スペース社との合弁会社は、衛星建設をスケジュール通りに進め、最高の品質を保証するのに役立っています。また、ソフトウェアへの継続的な投資により、競合他社との差別化を図っています。

しかし、彼らはデータ会社なのか、ハードウェア会社なのか、あるいはその両方なのか?まあ、データ会社のコンプを使っています。しかし、2025年には収益の64%が画像から、33%がデータ、ソフトウェア、分析からもたらされるでしょう。

BlackSky は、データ会社の評価を得ようとしているハードウェア会社です。

リスク

BlackSky は、400億ドルのTAM、ファースト・ムーバー・アドバンテージ、25億ドルのパイプラインを主張しています。BlackSky は有望です。しかし、売上高の29倍で取引されています。Planet には巨大なデータのアドバンテージがあり、Maxar はこの分野ではまだ巨大な存在です。

BlackSky は成功するでしょうか?はい、しかし、彼らは実行し続ける必要があります。

2022年 BKSY の株価について

ピュアプレイの宇宙 SPAC 株の多くが、2021年11月以降の金融相場の終焉で売られました。これは宇宙 SPAC だけではなく、多くのハイパーグロース株がコロナ禍の高値から株価が半分や、半分の半分になりました。SPAC 株ももれなく半分や、10/1 近い meme 株化してしまっている銘柄もあります。

BlackSky も残念ながら、決算の下方修正などを繰り返し一時 1.5 ドルという最安値まで売られました。BlackSky は元々、じっちゃまが教えてくれた銘柄で、私も10ドルぐらいで数百株ロングしています。そのじっちゃまが、ロシアがウクライナに侵略してから、何回か BlackSky について言及しています。

今回の戦争では観測衛星が戦争の勝敗を大きく分けるというか、BlackSky のような企業が見直される機会になるかもしれません。株価は冴えませんが、とにかくピュアプレイの宇宙 SPAC 銘柄は野球に例えると、まだ1回表くらいしか始まっていません。もし宇宙ビジネスに興味があり、今後面白くなるのでは?と考えるのであれば、BlackSky は株価的にも、今 (2022年4月6日現在) 長期のエントリーポイントとしては面白いかと思います。

投資は自己判断となりますが、私も先日少し追加しました。

軍事事業の拡大を目指す

BlackSky は、商用衛星画像への関心が高まる中、同社の強みでもある軍事事業の拡大を目指しています。2022年4月4日、コロラドスプリングスで開催された第37回宇宙シンポジウムで BlackSky のCEOブライアン・オトゥール氏は、「ISRは明らかに優先事項になっており、商業的能力が果たすべき役割を担っている」と語っています。

国防省は宇宙からの戦術的な ISR (情報、監視、偵察) に関心を持っている。そこにはかなりの機会があります。ISR は明らかに優先事項になってきており、商業的な能力が果たすべき役割を担っているのです。

BlackSky は、ロシアのウクライナ侵攻以来、米国政府がロシア軍の追跡やウクライナの紛争地域での人道的救済活動を支援するために、商業プロバイダーの画像に目を向け、ビジネスが急成長した一握りの地球観測企業の1つです。

NEO の Electro-Optical Commercial Layer 契約

更に以下はじっちゃまも言及していたことですが、BlackSky のCEOオトゥール氏は、「ブラックスカイが、米国の情報機関向けに商業画像を提供する主要企業として、米国家偵察局から選ばれる1社になることを期待している」と述べています。NRO (アメリカ国家偵察局) は今年、Electro-Optical Commercial Layer 契約のプロバイダーを選定する予定です。

これにブラックスカイが選ばれれば株価は跳ね上がるかもしれません。

source : SpaceNews

じっちゃまも2022年4月2日のツイートで以下のように触れています。

いまアメリカ国家偵察局(NRO)が発注する電気工学商業レイヤー(EOCL)契約という商談が動いていて7月頃までには誰がこの契約を獲得したかが明らかになると思いますが、民間向けサービスと軍事サービスは基本、同じプラットフォームをシェアしています。それをソフトウェアで水切りしている。

ヘッジファンドも、新聞社も、軍も、基本的には同じプラットフォームを利用している。

中国の艦船の動き? もちろん、全部わかります。Sitting ducks.

2年ですね、人工衛星の寿命は。もちろんハードウェアとしてはそれよりずっと長く使い続けることが出来るのですが半導体技術の飛躍的な進歩でobsoleteになります。新しい人工衛星をどんどん打ち上げた方が得。

米国家偵察局、BlackSky 他2社に数十億円相当の衛星画像撮影の契約を発表

米国国家偵察局 (NRO)、BlackSky、Maxar、Planet の3社にEOCL契約を締結を発表!

予想通り、2022年5月25日に米国家偵察局 (NRO) は、Maxar、Planet、BlackSky の3社に数十億円相当の衛星画像撮影の契約を発表しました。NRO はこの契約を、その取得戦略の「歴史的な拡大」であるとし、民間企業の画像の利用可能性が高まることで、国家安全保障に対する「回復力が増し、統合的なアプローチが可能になる」と指摘した。