今回は、2023年8月以降に株式併合を実施した宇宙SPAC企業、Momentus (モメンタス / MNTS) と Spire Global (スパイア・グローバル / SPIR) という企業の、株式併合を実施後の値動きについて考察します。
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株式併合した後の宇宙SPAC株は買いなのか?
宇宙インフラの (モメンタス) は、8月24日に1対50の株式併合を実施し、「9.95ドル」で寄り付いた後にその日は「9/13ドル」くらいで引け、8月29日に一時「7.29ドル」まで売られるものの、8月31日には一時「12.46ドル」まで買われ、その日は結局「10.17ドル」ぐらいで引けています。
観測衛星の Spire Global は、8月31日に1対8の株式併合を実施し、「4.45ドル」で寄り付いて、その翌日の9月1日には一時「6.14ドル」を付けて、その日は「5.48ドル」で引けています。
この間の相場はアノマリー的には弱い月ではありますが、相場全体の地合い的にはそこまで悪い雰囲気はなく、逆に経済指標が発表される度にインフレの改善が見られ、買い目線の地合いが続いたことも考慮する必要がありますが、宇宙SPAC2銘柄の動きを見ると、株式併合実施後に買いで入って、25%ぐらい上昇したら利食いするという、宇宙SPAC株式併合スイングが可能かもしれません。
とは言え、Momentus の場合は初日に入る (ロング) と、数日引かされてからの上昇となるのでその間に損切りしてしまう可能性もあるため、まだデータが少な過ぎるという感じでしょうか。
株式併合の長期株価チャート
個別株投資を始めた頃に、ある銘柄の長期チャートを見ると過去に1,000ドル以上で取引されていた!みたいな銘柄が結構あったりしましたが、その謎が一部解けたかもしれません。
株式併合を行なった後、Momentus の長期チャートを表示すると上記のように、2020年のSPAC上場後の金融相場の最高値が「1,459ドル」になっています。私の記憶だと、Momentus は他の宇宙SPACに比べて地味で視聴率も低く、最高値は11ドル前後ぐらいだったように記憶しています。
これが株式併合による影響なんだと思います。同じように Spire Global も2020年のSPAC上場後の金融相場の最高値が「156ドル」になっています。Spire は金融相場で何回か WSB (ウォールストリートベッツ) で持て囃されてラリーになったことがあり、その時買い上げられた最高値は「20ドル」前後だったように記憶しています。
これらがもたらす弊害としては、これから投資を始める初心者が、「Momentus 過去に1,000ドル以上で取引されてたの?今買って長期で持ってれば良いのでは?」みたいな安易な考えに至る可能性がありそうです。
これらの宇宙SPAC銘柄は、株式併合を実施し、長期チャートもそれに合わせて歪んでしまっているという認識が必要です。